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発展途中の「校務DX」を再チェック! 目的・メリットを整理して次のフェーズへ

発展途中の「校務DX」を再チェック! 目的・メリットを整理して次のフェーズへ

目次

2019年に文部科学省が発表した「GIGAスクール構想」。その広がりとともに、「校務DX」という言葉も、教育現場で浸透してきました。
GIGAスクール構想は学びのデジタル化を進めるもの。校務DXは先生方の働き方や日々の業務をより効率的に、そして負担を減らすための取り組みです。最近では、システムを活用してこれらにチャレンジする学校も増えてきています。

一方で、GIGAスクールが第二フェーズに進んだように、校務DXもまだ発展の途中段階。実際に取り組む中で、新しい課題や悩みに直面する場面も多いのではないでしょうか

本記事では「校務DX」に焦点をあて、改めてその定義や目的、メリットを整理しました。次のフェーズに進むための振り返りとして、ぜひ最後までご覧ください。

校務DXの基礎知識

校務DXの基礎知識

校務DXとは、教職員が行うさまざまな業務をデジタル化し、学校運営を効率的にする取り組みです。これまで紙や電話が中心だった事務や連絡を、パソコンやタブレット、スマートフォンなどを使った情報システム(ICT)に置き換えることで、作業時間を短縮して業務の質を高めます。また、将来的には収集した情報を教育データとして利活用することを目指しています。

まずは、校務DXの目的と対象について解説します。

校務DXの目的

校務DXの一番の目的は、デジタル技術を活用して教職員の業務負担を減らし、教育の質を高めることです。

文部科学省の調査によると、教員の時間外在校等時間が月45時間を超える割合が、中学校で約43%、高等学校で約28%、小学校で約25%となっています。(出展:教育DXロードマップ(https://www.mext.go.jp/content/000370331.pdf) )
大きな原因の一つに、出欠管理や成績処理、保護者への連絡などの多岐にわたる事務作業が挙げられます。

校務でデジタルツールを活用すると、次のような効果があります。

  • 子ども達一人ひとりと向き合う時間、教材研究、授業準備に時間を割ける
  • 資料やプリントの印刷が不要になり、コスト削減につながる
  • 電話や手紙での連絡で起こる伝達ミスがなくなる
  • 在校等時間が減って教員のプライベートが充実する

質の高い教育を提供し、教員のワークライフバランスを目指すうえで、校務DXの導入が必要です。

校務DXの対象

校務DXの対象は、学校の運営・管理に関わる全ての業務が対象です。

  • 教務系業務:成績処理、出欠管理、時数管理、授業準備のデジタル化など
  • 保健系業務:健康診断票の管理、保健室への来室記録など
  • 学籍系業務:指導要録の作成、学籍情報の一元管理
  • 事務系業務:申請書や連絡文書のペーパーレス化、押印の原則廃止など
  • 情報共有:教員間の資料・情報共有
  • 保護者連絡:お便りの配信、欠席・遅刻・早退の連絡、調査・アンケートの実施

中でも、文部科学省が「12のやめることリスト」として、特にデジタル化を推進している内容は次のとおりです。

出展:「教育DXロードマップ」(デジタル庁)

出展:「教育DXロードマップ」(デジタル庁)

特に、保護者連絡や教員間の情報共有の面で、デジタル活用を推進しています。

校務DXがもたらす3つのメリット

校務DXがもたらす3つのメリット

校務DXを導入すると、単に業務が楽になるというだけでなく、教職員・保護者・児童生徒のそれぞれに大きなメリットがあります。

ここでは、校務DXがもたらす代表的な3つのメリットを解説します。

1. 教職員の業務負担軽減

教職員の手作業による事務処理を自動化することで、作業効率が上がり、時間的・精神的に余裕が生まれます。授業準備や学級運営に関する業務に力を入れられたり、教職員自身もプライベートの時間を充実させたりすることが可能です。

たとえば、欠席・遅刻・早退の電話連絡をアプリに移行すると、出欠簿への転記や集計作業がなくなります。また、クラウドシステムであれば、場所を選ばずにどこからでも閲覧できるため、出張先などから子ども達の出席状況を確認できます。

2. 保護者満足度の向上

教職員だけでなく、保護者の利便性も高まります。近年は共働き家庭が増えていることもあり「連絡帳に手書きする」「朝の決まった時間帯に電話をかける」「配布されたプリントを探す」ということが非常に手間であると感じている保護者も多いでしょう。

保護者連絡のデジタル化を進めると、次のようなメリットがあります。

  • スマートフォンなどから連絡・確認ができるため保護者の負担が減る
  • 悪天候による休校や不審者情報などを、リアルタイムですぐに受け取れる
  • アンケートや面談の希望調査の提出忘れが防げる

帰宅後の忙しい時間に子どもに連絡帳や手紙を出してもらい、確認することがなくなるだけでも、保護者の負担は軽くなります。
教職員にとっても、一斉に情報を周知できることや、アンケートの集計作業が効率化されることはメリットと言えるでしょう。

3. 教育の質の向上

教職員の業務負担が軽減され、保護者との連携がスムーズになることは、教育の質の向上につながります。

これまで事務作業に費やしていた時間が軽減されることで、授業準備や教材研究に充てられる時間が増え、教員自身が学ぶ時間を確保することが可能です。子ども達に関わる直接的な業務に力を入れられるため、授業がさらに分かりやすくなるなど、子ども達に還元されていき、結果的に教育の質が向上します。
在校等時間が減ることで、教職員のプライベートも充実させられます。育児や介護との両立がしやすく、しっかり休む時間を確保できることで、元気に仕事に取り組めるでしょう。

校務DX推進の3つの課題と解決策

校務DX推進の3つの課題と解決策

校務DXには多くのメリットがある一方、導入や推進の過程で壁に直面することがあります。
ここでは、多くの学校が直面しがちな課題と解決策を解説します。

1. 職員のITリテラシー格差

多くの学校が直面する課題は、職員間のITリテラシーの差です。デジタルツールに慣れている職員がいる一方、デジタル機器の操作に苦手意識を持つ職員もいます。「よく分からないから」「難しそうだから」など、新しいことへの抵抗感から、DX化を進めることに躊躇してしまうケースも多いです。

解決策

● 導入しやすいものから少しずつ始めてみる
全業務を一度にDX化するのではなく、保護者連絡や欠席管理などの導入しやすい業務から始めてみましょう。実際に取り入れてみて便利だと感じると、DX化のハードルが低くなります。

● 研修やサポート体制を整える
導入時には説明会や研修会を実施し、職員に使い方を周知しましょう。システム会社の職員が説明会を実施してくれるケースもあるため、導入時に相談してみるのがおすすめです。システム運用後も、電話で問い合わせに対応できる会社であれば、疑問やトラブルがあったときにすぐに対応してもらえます。

2. 導入コスト

システムの導入や使用には費用が発生します。限られた予算の中で、費用をどう捻出するかという点は、多くの学校で課題として挙がります。削減できる時間が金額として可視化されにくいため、費用対効果の説明が難しいと感じる管理職の方も少なくありません。

解決策

● 複数のサービスを比較する
複数のシステム会社に資料請求や見積もりを依頼し、必要な機能と費用を慎重に比較しましょう。導入時の初期費用以外に、月額で発生する費用の詳細や、児童生徒数によって変動する従量課金制なのか、定額制なのかも確認したいポイントです。
サービスを導入することで印刷代の削減、教員の在校等時間が抑制されるといった長期的な視点で費用対効果を捉えることも大切です。

3. セキュリティへの不安

学校内のデータには生徒の成績や住所、健康情報といった個人情報が含まれます。情報漏洩や不正アクセスなどに対する不安は、導入をためらう大きな要因の一つです。万が一のことがあれば、生徒や保護者に多大な迷惑をかけるだけでなく、学校としての信頼を損なうため、慎重に考える必要があります。

解決策

● ISMS認証やプライバシーマークを取得している会社を選ぶ
ISMS認証やプライバシーマークは、企業が情報を安全に管理していることを第三者が認める認証です。一定の基準を満たしている会社のシステムを使用することで、利用するときの安心感につながります。

校務DXで業務改善が進んだ事例

校務DXで業務改善が進んだ事例

今回は校務DXの導入事例を2つ紹介します。

VISH株式会社で提供している、小中高等学校向けの保護者連絡システムのChimelee(チャイムリー)を導入いただいた学校様の事例をもとに、業務改善の効果を紹介します。

朝の電話当番が不要に!保護者連絡のDX化

多くの学校で長年の課題となっているのが、朝の欠席連絡などの電話対応です。大阪成蹊女子高等学校でも、毎朝100件近い電話を受けており、教員1名が電話当番として対応していました。また、保護者の仕事の都合で指定の時間に電話をかけることが難しく、授業準備のために早く出勤した教職員が対応することもありました。

働き方改革と授業準備の時間を確保するためにDX化を検討し、Chimeleeを導入。保護者がアプリを使って24時間いつでも欠席連絡を送信できるようになった結果、毎朝鳴り響いていた電話はほとんどなくなり、電話当番が不要になりました
朝の電話対応がほとんどなくなり、子どもたちを迎える準備や打ち合わせに集中できるようになったことは、働き方改革の大きな一歩と言えるでしょう。

詳しくはこちら:https://www.buscatch.com/chimelee/voice/osaka-seikei/

在校等時間の削減の一助に

校務DXは、自治体全体で取り組むことで、より大きな効果を発揮します。埼玉県皆野町では、教員の働き方改革推進の一環として、町内の小中学校にChimeleeを一斉導入し、教職員の負担軽減に取り組みました。

導入の主な目的は、これまで電話と手紙が中心だった保護者連絡の効率化です。欠席連絡の電話対応が不要になったことに加え、アプリによるお知らせ配信でプリントを印刷・配布する手間とコストを大幅に削減。手作業で行っていたアンケートの集計もアプリ上で自動化されるなど、様々な事務作業の効率化が実現しました。

働き方改革でさまざまな取り組みを行った結果、教員の在校等時間を削減でき、れんらくアプリはその一助となっています。 教育委員会が主導してDXを推進したことで、地域全体の教育環境の向上に貢献した事例です。

詳しくはこちら:https://www.buscatch.com/chimelee/voice/minano-town/

保護者連絡の効率化なら「Chimelee」

保護者連絡の効率化なら「Chimelee」

Chimelee(チャイムリー)は保護者と学校をつなぐ連絡システムで、毎日の欠席・遅刻・早退連絡、お知らせ配信、アンケート機能などの必要な機能がそろい、誰にでも分かりやすく簡単に画面操作ができることが特徴です。

「Chimelee」が解決する現場の悩み

朝の欠席連絡をアプリで解決

保護者はスマートフォンアプリなどから24時間いつでも欠席・遅刻・早退の連絡を送信できます。連絡内容は自動で一覧化されてリアルタイムに共有されるため、電話当番が不要になり、伝達ミスの心配もなくなります。

手紙配布の手間と印刷コストを削減

手紙を配布するには印刷・仕分け・配布など、時間と手間がかかります。Chimeleeではアプリで保護者に一斉配信でき、開封確認機能で保護者がお知らせを読んだか把握することが可能です。ペーパーレス化を実現することで、用紙・インク代のコストも削減できます。

アンケートもアプリで自動集計

保護者面談の日程調整、行事の出欠確認などのアンケートも、アプリで簡単に作成・配信が可能。選択式回答・チェック式回答は自動集計され、結果をグラフで表示できるため、回収・集計にかけていた時間を減らします。保護者も空いた時間で手軽に回答できるため、回答率の向上も期待できます。

スクールバスの乗降車管理

スクールバスを運行している学校では、バスの乗降車管理も可能です。QRコードを使用して簡単に打刻でき、自動で保護者に通知されるため、保護者の安心につながります。当日の欠席・遅刻・早退の情報も自動で反映されるため、バス名簿への転記などが不要です。

Chimeleeの機能をさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
https://www.buscatch.com/chimelee/func/

まとめ:校務DXで教職員の負担軽減を目指そう

校務DXは、教職員の働き方を見直し、授業準備など子どもたちに直結する時間を確保することで、教育の質を高めるために欠かせない取り組みです。

すでに多くの学校でシステムを導入されていますが、一見同じように見える仕組みでも、現場の実情に合わず十分に活用されていないケースも少なくありません。導入そのものが目的になってしまうと、本来の「業務を効率化し、教育の質を向上させる」という校務DXの意義が十分に発揮されない可能性があります

文部科学省が推進する「12のやめることリスト」に挙げられている保護者連絡の効率化などは、現場と保護者の双方が負担軽減を実感しやすい分野です。しかし、それも学校の状況に合ったシステムであってこそ、効果が最大化されます。

いま一度、導入済みの仕組みが本当に自校の校務DXに適しているのかを見直し、次のフェーズに進むためのきっかけとしていただければ幸いです。

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