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コラム

【保存版】学童でのこどもとの関わり方│元スタッフが教える接し方と叱り方のコツ

【保存版】学童でのこどもとの関わり方│元スタッフが教える接し方と叱り方のコツ

「学童のこどもたちとの関わり方に悩んでいる」
「何度声をかけても、話を聞いてくれない」
「高学年への接し方に難しさを感じる」

学童保育の現場では、このような悩みを抱えるスタッフは少なくありません。放課後や長期休みなどの長い時間をともに過ごすからこそ、関わり方に迷う場面も増えます。

筆者も学童クラブで約4年間勤務したなかで、「こどもたちとの関わりが難しい」と悩んだ経験があります。失敗も重ねましたが、いくつかの大切なポイントを意識すると、こどもたちとの距離が少しずつ縮まっていきました。

この記事では、保育園と学童クラブで約8年間勤務した経験や、厚生労働省の「放課後児童クラブ運営指針解説書」をもとに、小学生と関わるうえで大切なポイントを分かりやすく解説します。ケース別の対応や、高学年のこどもたちとの関わり方もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

◆学童保育でのこどもとの関わり方の基本

学童クラブは、学校でも家庭でもない「第三の居場所」です。こどもにとっては、放課後を長い時間過ごす生活の場ですが、安心して過ごせるかはスタッフの関わり方に大きく影響されます。

学童クラブは、学校でも家庭でもない「第三の居場所」です。こどもにとっては、放課後を長い時間過ごす生活の場ですが、安心して過ごせるかはスタッフの関わり方に大きく影響されます。

ここでは、学童のスタッフが押さえておきたい関わり方の基本を整理します。

◎学童のこどもと仲良くなるには受容と尊重が大切

こどもと信頼関係を築く土台になるのは、相手の気持ちを受け止める「受容」と、感情や考え方を大切にする「尊重」です。大人でも、話すたびに否定してくる人より、気持ちを受け止めてくれる人のほうが「私のことを分かってくれそう」「もっと仲良くなりたい」と感じませんか。こどもも同じで、自分の思いを受け止めてもらえた経験の積み重ねが、信頼へとつながります。

厚生労働省の「放課後児童クラブ運営指針解説書」でも、こどもの言葉や意見に耳を傾け、受け止め、尊重する姿勢の重要性が示されています。現場で迷ったときの、よりどころになる考え方です。

例えば「鬼ごっこですぐにタッチされて、オニになるのが嫌だ」と話してきたときは、すぐに解決策を伝えるのではなく「それは悔しいね」と気持ちを言葉にして返します。そのうえで必要に応じて助言を行うと、言葉が届きやすくなります。

◎学童のこどもたちが「安心できる居場所」を作る

こどもたちは、学校で授業を受けて疲れた状態で学童に来ます。学童は学習をするところではなく、生活の場です。もちろん集団生活をするうえでのルールや安全は大切ですが「学童にいるとほっとする」と感じてもらえるような環境作りや関わりが大切です。

来室時には「おかえりなさい」と笑顔で迎えると、こどもたちも安心しますし、表情や声の調子から、その日の様子に気づくこともあります。少し元気がない様子なら、声をかけたり、静かな時間を用意したりする配慮もできますね。学童スタッフは、学校の先生や保護者でもない立場です。複雑な立場ですが、安全を確保しながら、こどもたちと同じ目線に立って関わることが大切です。

◎こどもの発達段階に合わせた接し方を意識する

学童には1年生から6年生まで、幅広い年齢のこどもが在籍しています。学年や理解度に合わせた接し方を意識しましょう。

行動を促す場面では「走らない」などの否定形よりも、「歩こうね」などの具体的な行動を示すと理解しやすくなります。また、「〇〇して」と一方的に伝えるのではなく、「一緒に〇〇しよう」と伝えるほうが受け入れやすい場合もあります。こどもの様子を見て、声かけを変えてみてください。

特に、中学年から高学年は「ギャングエイジ」と呼ばれる時期に入り、仲間を大切にする気持ちも高まります。大人よりも友だちを優先しやすく、反抗的な態度をとることも少なくありません。一方的に指示を出すのではなく、理由を伝え、意見を聞きながら進める姿勢が重要です。

【学年ごとのポイント】

学年 接し方のポイント
低学年(1〜2年生) 短い言葉で具体的に伝える (例)「歩いて移動しよう」「順番を守ろう」
中学年(3〜4年生) 仲間意識を大切にし、少しずつ見守る時間を増やす
高学年(5〜6年生) 一人の人として尊重し、役割を任せて頼りにする(例)行事の準備、下級生のサポート

◆学童のこどもとの上手な関わり方・接し方のコツ

ここからは、現場ですぐに実践できる具体的なコツを紹介します。

ここからは、現場ですぐに実践できる具体的なコツを紹介します。

◎あいさつと日常会話からコミュニケーションをとる

まずは、あいさつと日常会話からコミュニケーションをとってみましょう。最初はこどもたちも「この人はどんな人なんだろう」と、よく観察しています。いきなり話しかけるのは難しくても、明るく笑顔であいさつすると人柄が分かり、こどもたちも安心できるようになります。「今日の給食は何だったの?」など、学校生活の話題は取り入れやすく、こどもたちも話しやすいです。

また、こどもたちが興味を持っている話題を少し知っておくと、会話が広がりやすいのでおすすめです。流行しているゲームやキャラクターの名前を出すだけでも、会話が弾んだり、こどもとの距離を縮めるきっかけになったりします。親しみやすさや、関心を持ってもらえていることが、自然に伝わりますよ。

◎遊びに本気で参加して一緒に楽しむ

支援員が遊びに加わることも、関係作りに大きな効果があります。こどもは、注意や指導だけをする大人よりも、一緒に楽しんでくれる大人に親しみを感じやすい傾向があります。トランプやドッジボールなどの遊びに、ぜひ同じ立場で参加してみてください。

遊びを通して、こどもの性格や人間関係の気づきを得られる機会でもあります。安全を見守りつつ、支援員自身も楽しむ姿勢を持つことで、こどもたちとの距離をさらに縮められます。

◎こどもの話を否定せずに最後まで聞く

こどもが話しかけてきたときは、途中で口をはさんだり、否定したりせず、最後まで話を聞きましょう。大人の視点から見て間違っているように感じても、まずは「そう思ったんだね」と感情を受け止めます。

気持ちを受け止めたうえで、考えを伝えるときには「〇〇さんの気持ちは分かったよ。でも私はこう思ったよ」と、主語を自分にして伝えるのがポイントです。これは「I(アイ)メッセージ」と呼ばれ、相手を評価する言い方ではなく、自分の気持ちとして伝える方法です。正しいことを押し付ける形になりにくいため、こどもは責められた印象を持ちにくくなります。

◆【ケース別】学童でのこどもとの関わり方・適切な叱り方

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学童の現場では、こども同士のトラブルや、声かけが届かないなどの場面が日常的にあります。大人が感情に任せて対応すると、こどもは反発し、関係が遠のくこともあります。

ここでは、よくあるケースごとに、実践しやすい関わり方と叱り方のポイントを紹介します。

◎話を聞いてくれない・落ち着きがないこどもへの接し方

「話を聞いてくれない」という行動の背景や理由はさまざまです。まずは「なぜできないのか」の理由を考え、対応しましょう。

話しかけられていることに気づいていない

友だちやおもちゃなど、周囲の刺激に意識が向いていると、話しかけられていることに気づかない場合があります。こどもが「自分に話しかけている」と気がつくように対応することが必要です。

<対応>
・こどもの近くに行き、正面から目を見て声をかける
・軽く肩をトントンと触れてから話しかける
・刺激の少ない場所に移動して伝える

「この人の話は聞かなくてもいい」と感じている

まだ関係の浅い場合は、指示が届きにくいことがあります。遊びなどを通して信頼関係を構築しながら、他のスタッフと協力して対応することが大切です。

<対応>
・「話を聞いてくれないと悲しい」と、Iメッセージで伝える
・他のスタッフに相談し、一緒に対応する
・遊びや会話を通して、意識的にコミュニケーションを図る

「他の人と同じようにできない」と落ち込むことがあるかもしれませんが、こどもとの関わり方や関係性は人それぞれで、比べるものではありません。コツコツと信頼関係を積み重ね、自分なりの関わり方を構築することが大切です。

集団全体への話が通らない

こどもたちが集まるおやつや集会の前の時間は、全体がざわざわしがちです。注意ではなく、注目を集める工夫があると、本題に入るときも無理なく話を聞く姿勢に移行できます。

<対応>
・「おちたおちた」など、その場で座ったままできる短いゲームを始める
・手遊びや簡単な歌で注目を集める

◎トラブル発生!こども同士の喧嘩における関わり方

喧嘩が起きたときは、まず安全を確保したうえで、それぞれの話を順番に聞きましょう。相手の話に口を挟みたくなっても「まずは最後まで聞こう」と促し、双方の気持ちをていねいに受け止めます。スタッフが善悪を決めて解決するのは簡単ですが、大人がいないと解決できなくなってしまいます。近くで見守りながら、こどもたちだけで解決できるように「待つ姿勢」も大切です。

年齢が上がると「ごめんね」「いいよ」と簡単に解決しないことも増えてきます。その場で謝罪を強要せず「気持ちが落ち着いたら伝えよう」と、こどもを信じて待つことも必要です。筆者も、数日かかって最終的に自分たちで関係を築き直す場面を見てきました。

また、どうしても相性が合わない相手には「あいさつだけして、話しかけてきたときだけ関わる、でも良いんだよ」と、距離感の保ち方を伝えることも一つです。人との関わり方を学ぶ、大切な機会になります。

◎こどもの心に響く効果的な叱り方

こどもを叱るときは、人前を避けた場所で落ち着いて話しましょう。大声は恐怖を強めるだけでなく、信頼関係が崩れてしまうことにもつながります。

まず、なにがいけなかったのかを伝えます。「走ってぶつかると怪我をする可能性がある」など、具体的に伝えることでイメージしやすくなります。先述のIメッセージで「あなたが怪我をしたら、私も悲しい」と伝えることも有効です。

そして最後に「あなたならできると思っているから話している」と伝え、期待や信頼を伝えましょう。「期待されている」「信じてもらえている」と感じることで、こどもは自信を持ち、行動を改善しやすくなります。

◆学童で悩む人が多い高学年のこどもとの関わり方

学童保育の現場で、特に悩みの声が多いのが高学年との関わりです。筆者も、距離が縮まらずに戸惑った経験があります。

学童保育の現場で、特に悩みの声が多いのが高学年との関わりです。筆者も、距離が縮まらずに戸惑った経験があります。

ここからは、高学年で意識したいポイントを紹介します。

◎「一人の大人」として尊重した接し方を意識する

高学年のこどもには、こども扱いせず、対等に接する姿勢を大切にしましょう。自立心が芽生える時期のため、上から目線の指示には強い抵抗を感じやすいです。

また、高学年のこどもは、大人の言動をよく観察しており、ちょっとした対応の違いなどで信頼関係が揺らぐことがあります。だからこそ、日々の関わりのなかでコツコツと信頼関係を積み上げていくことが大切です。

◎役割や責任を与えて主体性・自己肯定感を育てる

高学年のこどもたちに、学童の中で役割や責任を与えると、力を発揮してくれることも多いです。おやつの準備を手伝ってもらう、行事を一緒に企画・運営するなど、こどもたちが楽しみながら一緒にできることをお願いすると、主体性が育ちます。

また、低学年の関わりについて相談してみるのも一つの方法です。「喧嘩したみたい。どう思う?」と相談すると、双方の話を聞いて意見をくれたり「様子を見てくるね」と動いてくれたりすることもあります。また「頼りにしている」と言葉で伝えることも大切です。「誰かの役に立っている」と実感できると、自己肯定感が持てるようになります。

◎適度な距離感を保ちながらも目を離さない

高学年は、友達との関わりを重視する時期です。大人が入ってくることに強い抵抗感がある場合も多いので、集団の中へ無理に入り込まず、適度な距離感を保って接することも必要です。

ただ、完全に目を離すと、トラブルに気づけない場合があります。グループで過ごしているときは、こどもたちの表情や雰囲気を見て「うまくいっていそうかな」と、気にかけてみましょう。もし気になることがあれば、さりげなく集団の中に入ったり、個別で話を聞いたりします。

また、一対一で話せるタイミングを見つけて、コミュニケーションをとることも大切です。少しずつ積み重ねることで、安定した信頼関係につながります。

◆まとめ:学童のこどもたちとの関わり方には寄り添いが大切

学童での関わりの土台は、気持ちに寄り添う姿勢です。悲しさを受け止め、喜びを共有する関係は、安心できる居場所を支えます。学童スタッフは、学校の先生や保護者とは異なる立場です。難しさを感じる場面もありますが、こどもたちと近い距離で成長を見られるため、魅力がある仕事だと筆者は感じています。

最初からうまくいくとは限りませんが、ていねいな関わりを続けることで、少しずつ変化が見えてきます。この記事の内容も、一つのヒントとして活用しながら、こどもたちとの関わりや成長を楽しんでくださいね。

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ライター:加野彩乃

保育士・放課後児童支援員。保育園・学童クラブの現場や、習い事教室事務の経験を経て、現在はWebライターとして活動中。これまでの経験や2児の母としての視点を織り交ぜながら、分かりやすい記事を執筆することを心がけています。

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