「園支援システム+バスキャッチ」は、単なる効率化ではなく、ICTの面から一人ひとりを大切に育てる当園の保育を後押ししてくれます。
学校法人九里学園 九里幼稚園
園長 栗林由美様、事務職員 嵐田郁美様
その他の導入実績
山形県米沢市にある学校法人九里学園 九里幼稚園は、1979年4月に開園しました。「楽しい遊びいっぱいのようちえんです」を基本方針として、一人ひとりを大切に育てる教育を行っています。九里幼稚園では2022年7月より「園支援システム+バスキャッチ」を導入して、活用しています。導入の経緯や導入効果、工夫している点などについて、学校法人九里学園 九里幼稚園 園長 栗林由美様、事務職員 嵐田郁美様にお話を伺いました。
目次
一人ひとりを大切に育てる教育
九里幼稚園について教えてください。
九里幼稚園は1978年12月に幼稚園としての認可を得て、1979年4月に山形県米沢市に開園しました。母体となる学校法人九里学園は、九里高等学校を隣接地に開校しています。当園は、設立当初に園長を務めた九里茂三先生が、高校教育を行っていく中で、高等学校における女子教育(設立当時、高校は米沢女子高等学校、1999年に共学化し現高校名)も大切だけれども、幼児教育、子どもの教育がいかに大事かを痛感して、幼稚園の設立にいたったそうです。そのために園舎も新しく建築し、仕切りのないオープンスペースを活かしたレイアウトの建物になっています。当時は非常に斬新な園舎でしたので、日本国内のみならず海外から視察に訪れた方もいらしたそうです。
当園は「楽しい遊びいっぱいのようちえんです」を基本方針としています。ただ、幼稚園は学校教育法第一条に位置づけられた「学校」です。幼稚園での学びは、その後の義務教育の基礎となり、小学校への円滑な接続に役立ちます。幼稚園での教育は、幼稚園教育要領に基づいて行われ、その中に「幼稚園における教育は、遊びを通しての指導を中心に行うことが重要である」と述べられています。
こうした基本姿勢に基づき、当園の特色は「自分で遊びを見つける、決める、考える……自ら主体的に関わることで、生きる力が育ちます」、「すごいね おもしろいね がんばったね……子どもをやさしく包み込み、共感する先生たちのもとで、心が育ちます」にあります。九里幼稚園は、一人ひとりを大切に育てる教育を行っています。
現在、園児の定員は60名で、年長児23名、年中児16名、年少15名、満3歳児14名が在籍しています。年によって、入ってこられるお子さんの人数は若干ばらつきがあります。職員は非常勤も入れて17名の体制です。
システムがあっても効率化できない状況をなんとかしたい
九里幼稚園では2022年6月にVISH株式会社の「園支援システム+バスキャッチ」を導入し、7月から運用を開始しました。導入前には他のシステムを利用されていたとお聞きしていますが、どのような様子だったのかを教えてください。
以前、幼稚園に関わる事務業務は、学校法人九里学園、九里高等学校の本部が行っていました。それが子ども・子育て支援新制度が始ったことに伴い、事務処理量が膨大になり、幼稚園として事務職員を採用して、当園で事務処理すべてを行うことになりました。ちょうどその頃、個人情報保護やICT化への流れも始っており、高校の事務もシステム化を進めていました。それに伴い2018年頃に幼稚園もあるシステムを導入しました。
そのシステムに関しては、導入時の説明のみでどのような機能があるのか、どういう使い方をすれば当園に合った運用ができるのかがわかりませんでした。ですので、園児の登園・降園時間の管理とメール配信だけを使っていました。
システムによる効率化、便利さはほとんどなく、園児が登園する際、降園する際に先生たちがタブレットで一人ひとりの登園・降園時間を登録していましたので、職員の負担が逆に増える状況でした。
また、コロナ禍の際に保護者にメールを送信したのですが、そのシステムは保護者が開封ボタンを押さないと、こちらでは未読の扱いでした。コロナ禍での急な休園の際、既読にならない保護者全員に、先生が電話をしていました。電話をすると保護者は「はい、読みました」という返答がほとんどでした。でも、連絡がついたかわからない状況では、当園としては電話連絡をせざるを得ません。メールに関しては単にお知らせをお送りするには便利でしたが、保護者がメールを開いたかどうか、確認が必要な際には不便でした。
そのような状況でしたので、こんなことをしたい、機能がわからないときにはそのシステム会社の営業担当に連絡を取りました。でも、なかなか連絡がつかないので、サポートに連絡をすると、結局返信は営業担当から来る状況でした。
システムがあっても効率化できないし、サポートが不十分で職員全員に展開できないままでした。この状況を何とかしなければと他のシステムを探し始めました。VISH株式会社に問い合わせたのは2021年の暮れでした。
複雑な料金体系の設定を、VISH株式会社のサポートの支援で乗り切る
導入したシステムで何とかしようと努力されていたのですね。VISH株式会社に問い合わせをしたきっかけを教えてください。
いろいろと幼稚園向けのシステムについて調べてみました。その中で比較的有名なシステムがあり、問い合わせをしました。ところが保育園仕様のシステムだったんです。こちらがやりたいことをお話ししたら、「残念ながらうちのシステムではできません」といわれてしまって……。
困ったな、いまのシステムで地道に作業をしていくしかないのかな、と思っていたら、「九里幼稚園さんがやりたいことは、うちのシステムでは難しいのですが、このシステムならできると思います」といって紹介してくれたのが、VISH株式会社の「園支援システム+バスキャッチ」です。そのときにもう一つ教えていただいたシステムは、園児管理や職員の労務管理はできるのですが、要録の作成できませんでした。そこでVISH株式会社に問い合わせをしました。
実際に問い合わせて、「園支援システム+バスキャッチ」の説明をお聞きになった感想はいかがですか。
当園がシステムを通じてやりたいこと、実現したいことのメモを作成して、VISH株式会社との打ち合わせに臨みました。こんなことがやりたいんです、とお話すると、次々と「できます」という返事をもらいました。もちろん中には「いまは難しいです」というものもありました。でも、「常に幼稚園のご要望をお聞きしてバージョンアップをしているので、将来的にできるようになるかもしれません」といってくれました。コスト的にも、当園が必要としているほとんどの機能は基本機能の中にあり、オプションが必要となるのはバスのGPSと口座振替機能だけでした。この説明を聞いて、当園としては「園支援システム+バスキャッチ」を導入したいと思いました。
また、検討している頃、幼稚園としてペーパーレス化を進めるために、職員1人1台の2in1パソコンを導入しました。その2in1パソコンと「園支援システム+バスキャッチ」を活用すれば、日誌やお知らせなどをペーパーレスにできるのではないかと考えました。
ただ、一度システム導入をしていますので、学校法人、高等学校の方では慎重になっていました。そこをVISH株式会社のアドバイスもあり、IT導入補助金を使っての導入とし、当園からプレゼンを行って導入を承認してもらいました。
「園支援システム+バスキャッチ」の導入はスムーズにいきましたか。
2022年2月に契約をして、そこから導入の準備を進め、6月に保護者に通知を出してれんらくアプリをインストールしてもらいました。6月は試用期間として、試しにメールを送信して確かめてもらったり、保護者にもれんらくアプリの操作に慣れてもらい、正式に運用を開始したのは2022年7月からです。
導入準備では設定が大変でした。これは「園支援システム+バスキャッチ」の設定が難しいのではなく、当園独自の料金体系が複雑で大変でした。預かり保育の料金体系には、常時使用する場合の保育料があり、それに伴う早朝と延長があります。それとは別に今日1日だけお願いしたいという臨時で使う場合の保育料があり、その早朝と延長があります。長期休暇には1日の保育料とは別に早朝と延長がありますが、こちらにも臨時で使いたいという扱いがあります。
この設定をしようとしたのですが、最初はうまくできずに、すぐにサポートに電話をしました。すると、全部の料金体系に対応するのは難しいとの返答でした。これは困ったな、と思っていたら、サポートの方から電話をいただき、「こうすればできますよ、一緒に設定しましょう」といってくれて、一緒にやったら設定ができたんです。
正直なところ、預かり保育の設定以外でも、サポートにはガンガン電話をしました。できないことを悩んでいるよりも、教えてもらった方が早いと判断したからです。丁寧に対応してくださり、後から提案のお電話もくださるサポートの方には感謝しかありません。
効率化だけでなく、一人ひとりを大切にするハイブリッドな運営
「園支援システム+バスキャッチ」の導入効果、運用の工夫などをお教えください。
1. 3日かかった保育料の計算が半日に。
以前、保育料の計算は1人ひとり計算をして、給食などのデータを加味して請求書を作成して、印刷してお手紙として保護者にお渡ししていました。いまでは「園支援システム+バスキャッチ」の保育料計算で請求書まで作れますので、確認作業をする程度になりました。そして確認後は、保護者がれんらくアプリを通じて請求情報を確認できます。
ですので3日かかっていた作業が半日で終わるようになりました。
2. 各種連絡の効率化が図れた一方で、ハイブリッドな運営を心がける。
朝の欠席連絡などはれんらくアプリを通じてお知らせいただくようになり、朝の電話対応はほとんどなくなりました。以前は保護者からの電話の様子で子どもたちの具合を知ることができました。いまはれんらくアプリでお休みの理由を「風邪」といったように書いていただけます。誰がお休みで理由は何かが一覧でパッと見ることができることを、効率化で終わらせてはいけないと当園は考えています。お休みの子どもたちの保護者には、先生が少し空いた時間に電話連絡を取るなど、アナログな対応のよさも残しつつ、システムとのハイブリッドな運営を心がけています。
3. 登降園時のICカードの打刻で、先生の負担が軽減。
以前のシステムだと園児の登降園時には、先生が時間の登録を行っていました。いまでは保護者によるICカードでの打刻に変わりましたので、先生たちの負担は軽減されました。また、職員の勤務時間の管理もICカードでの打刻で管理しています。
4. リアルタイムに状況を確認できるアンケート機能の活用。
以前はお手紙でアンケートを出していましたが、いまでは「園支援システム+バスキャッチ」のアンケート機能を活用しています。アンケート機能では、例えば文化祭のお茶会のチケットを保護者がどれくらい必要としているかの事前調査を行いました。その結果により、文化祭の準備も変わってきますので、紙の時代ではできなかった調査ができ、その結果をリアルタイムで把握できるのは非常に助かっています。
5. あえて紙の連絡帳を使用。
朝の忙しい時間に保護者に連絡帳を書いてもらう、職員が保育の時間の合間に一人ひとりの園児の連絡帳に目を通し、お返事を書く。これが連絡帳機能を活用すれば、保護者も職員も時間に余裕を持てることはわかっています。でも当園では、アナログに一人ひとりと向き合うことを大切にしていますので、あえて紙の連絡帳を使用しいています。また、毎月1回出すクラス便りも、担任の先生が手書きにこだわって作成しています。
6. 要録作成も「園支援システム+バスキャッチ」でペーパーレスに。
最初はシステムを活用して要録を作成することに抵抗があった職員がいたことも事実です。でも当園としてペーパーレスに取り組んでいること、システムを使用する利便性を考えて、若手の先生がベテランの先生をサポートするなどして、いまでは全員が要録などの作成も「園支援システム+バスキャッチ」を活用しています。
ICTの面から当園らしい保育の後押しをしてくれる
「園支援システム+バスキャッチ」の評価を教えてください。
あらゆる業務が快適にスムーズに行えるようになりました。例えば「園支援システム+バスキャッチ」を見れば、今日のお休みが誰で登園している園児の一覧もパッと一目でわかります。そして園に関連するあらゆるデータが「園支援システム+バスキャッチ」に保存されていますので、何かのデータを調べるときに、ファイルを引っ張り出して、といったことはなくなりました。業務の効率化も図れましたし、ペーパーレスにもつながっている点は高く評価できます。
ただ、当園は一人ひとりを大切に育てることを基本としています。単に効率的になったではなく、そこから情報やデータを活かして一人ひとりとどうふれあっていくのか、そこが大切です。効率化により保育や子どもたちと向き合える時間は増えていますので、改めて当園の姿勢に基づいた保育や保護者への対応などにつなげていきたいと考えています。ICTの面から、当園らしい保育の後押しをしてくれるのが「園支援システム+バスキャッチ」です。
「園支援システム+バスキャッチ」の今後の活用予定やリクエスト、VISH株式会社への期待などありましたらお教えください。
当園ではバスを使う園児が少なく、朝はバスに乗って、降園時に載らない場合、バス不要の表示になってしまいます。その表示が紛わしいので、上手い方法があれば教えてください。また、この要望は多いと思いますが、無償化の書類は米沢市の様式に対応、あるいは近いものになると助かります。
また、いろいろな設定などでサポートの方にお電話をすると思います。その際は変わらずにご対応、ご支援をお願いいたします。
学校法人九里学園 九里幼稚園様、本日はお忙しい中貴重なお話をありがとうございました。
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- 九里幼稚園のホームページ https://kunori-k.net
取材日時 2023年10月