【学童】日誌の書き方完全ガイド!育成支援に活かす例文と業務効率化のポイント
「学童の日誌には何を書けばいいのだろう」
「読む人に伝わる文章を、もっと早く書けるようになりたい」
このように感じたことはありませんか?
筆者は約4年間学童保育の現場で働いてきました。現場が終わったあと、疲れた状態で日誌を書くのは大変だったことをよく覚えています。保育中に日誌を書く時間をもらっても「どう書けば分かりやすいか」と悩んでしまい、時間内に書き終えられなかった日もありました。
学童保育の日誌は、出来事を記録するだけでなく、こどもの成長や気持ちを次の関わりにつなげる役割があります。ポイントを意識すれば、忙しい中でも分かりやすい日誌が書けます。この記事では、学童保育の日誌の書き方のポイントや、場面ごとの例文、記録業務を楽にする工夫を紹介します。ぜひ最後までお読みください。
目次
◆学童保育の日誌の役割・育成支援記録との違い
はじめに、学童保育の日誌がどのような役割を持っているのかを確認していきましょう。
◎学童保育の業務記録としての役割
学童保育の日誌には、運営に関わる内容を記録する「業務日誌」としての役割があります。これは、こどもの様子を書く「育成支援の記録」とは異なり、学童クラブが適切に運営されていることを示すための大切な書類です。
主な記載内容の例
・日付
・開所時間
・こどもの出欠席人数、出欠席状況
・開所時間前後の業務内容
・職員の勤務状況
・主な活動
・行事
・事故やケガの発生状況とその対処
・おやつに関すること
・学校との連絡
・関係機関との連絡
【引用】
「放課後児童クラブ運営指針解説書について(通知)令和7年3月28日」(こども家庭庁)
◎育成支援の記録(実践記録)としての役割
日誌には、運営の記録だけでなく「育成支援の内容についての記録」の役割もあります。こどもの遊びや友だちとの関わり、気持ちの変化、職員の関わりなど、実際の保育中の様子やエピソードを記録することで、成長の過程を振り返ることができます。
日々の出来事は時間が経つと記憶があいまいになりますが、文章として残しておくことで変化に気づきやすくなります。また、日誌を書くことは保育を振り返り、次の関わりを考える時間にもなります。職員同士で共有することで、支援の方向性をそろえやすくなるでしょう。
なお、施設によって業務日誌と育成支援記録(実践記録)を、1つの書式にまとめて記入する場合があります。
◎保護者への報告やトラブル対応時の説明資料としての役割
日誌は普段、保護者に見せるものではありませんが、事故やトラブル時には説明資料になります。「いつ」「どこで」「誰が」「何をしていたか」を正確に記録しておくことで、保護者や自治体にも落ち着いて説明できます。
日ごろから丁寧に記録することは、こどもだけでなく、職員や施設を守ることにもつながります。
◆学童の日誌を書くときに押さえておきたいポイント5つ
ここでは、日誌を書く時の5つのポイントを紹介します。
◎1.客観的な事実を中心に記録する
まずは自分が実際に見たこと、聞いたことをそのまま書きます。状況を記録するときには、書き手の主観は入れず、事実だけを書きましょう。
▶記載例
Aくんが暴言を吐きながら、怒っていた。
→Aくんが「やめろ!触んな!」と言いながら、積み木を床に向かって投げていた。
誰が読んでも同じ場面を思い浮かべられるよう、具体的な言葉や行動を書く意識が重要です。
◎2.事実と記入者の主観を区別して記入する
日誌に支援員の気づきや考えを書くことも大切ですが、事実とは分けて書くようにします。
▶記載例
(事実)Bさんは同学年の友達と遊んでいたが、途中で遊びを抜け、一人で絵を描いていた。「一緒におもちゃで遊ぼうか」と声をかけると「あとでやる」と返答があった。
(考察)トラブルの可能性も考えて声をかけたが、表情は明るかった。落ち着いて一人で過ごしたい気分だったのかもしれないが、今後も様子を見ていく。
◎3.保護者や本人に開示できる前提で書く
日誌は職員向けの記録ですが、事故やトラブルの際には保護者や自治体などが目にすることもあります。「この文章を保護者の前で読めるか」を意識すると、表現が整いやすくなります。
▶記載例
わがまま→自分の意見をはっきり伝えていた
乱暴→力が強く入ってしまった、叩いていた
◎4.「いつ・どこで・誰が」などの5W1Hを意識する
状況を正しく伝えるために、5W1Hを意識して書きましょう。
・いつ(When)
・どこで(Where)
・誰が(Who)
・何を(What)
・なぜ(Why)
・どのように(How)
特に、怪我やトラブルがあったときの記録では、詳しく書くことで振り返りや再発防止にも役立ちます。
▶記載例
Cくんが転んで怪我をした。
→16:00頃、校庭でCくんが鬼ごっこをして走っているときに、石につまずいて転んだ。
◎5.箇条書きを活用する
日誌は、他の職員と情報を共有するためのものでもあります。内容によっては、箇条書きを使うと分かりやすくなります。
文章を長く書かなくても要点が伝わり、書く時間の短縮にもつながります。無理に文章でまとめようとせず、読みやすさを優先しましょう。
◆【項目別】学童日誌の書き方とすぐに使える例文集
日誌を書くときに時間がかかってしまう理由の一つに「どんな言葉で書けばいいのか分からない」という悩みがあります。
ここからは、学童保育の日誌でよく使われる項目ごとに、書き方のポイントとすぐに使える例文を紹介します。施設で使っている様式に合わせて、必要な部分を調整しながら活用してください。
◎運営に関する記録:天候・出欠状況・職員体制・開所時間
天候は、来所人数や活動内容に影響しやすいため、記載しておくと後から振り返る際の参考になります。出欠状況や職員の勤務状況は、学童の利用状況や配置が適切だったかを確認するために欠かせません。
特に人数の記入は間違いやすいため、出欠簿を確認しながら記入し、書き終えたあとに必ず見直しましょう。
▶記入例
日付:20XX年X月X日(月)
天気:晴れ
出欠:在籍40名/出席38名/欠席2名(Aさん:発熱、Bさん:家庭都合)
職員:鈴木(13:00-19:00)、佐藤(14:00-18:00)、田中(15:00-19:00)
開所前後の業務:掃除、クリスマス会 出し物の練習14:00~ 鈴木・田中
◎活動の記録:活動内容(遊びやイベント)・おやつ
こどもたちがどのように一日を過ごしたかを、時間の流れに沿って書きます。来所から閉所までを順番に記載すると、活動の様子が分かりやすくなります。
▶記入例
パターン①:平日下校後の来所
15:00 来所、宿題
15:40 おやつ
16:10 校庭遊び(ドッジボール、鬼ごっこ)
17:00 入室、室内遊び(ブロック、ままごと、塗り絵、折り紙、トランプ)
18:00 延長保育開始、室内遊び
19:00 閉所
パターン②:学校休業日の1日保育
7:00 順次来所、室内遊び
9:00 宿題
10:00 第一公園へ
12:00 昼食
12:40 室内遊び
13:00 校庭遊び(サッカー、鬼ごっこ)
15:00 イベント:ホットケーキ作り、食べ終えた子から順次室内遊び
18:00 延長保育開始、室内遊び
19:00 閉所
おやつはメニューだけでなく、アレルギー対応の有無も記載しておくと、安全管理の記録として役立ちます。
▶記入例
おやつ:クッキー、麦茶(アレルギー児への代替食提供:あり・豆乳クッキーに代替)
◎こどもの様子:全体の記録・個人記録・トラブルなど
学童で過ごすこどもたちの様子は、育成支援につながる大切な記録です。全体の雰囲気と、個人の様子の両方を残していきましょう。
【全体の様子】
「落ち着いていた」「集中して遊んでいた」など全体の雰囲気が伝わるように書くのがポイントです。
▶記入例
例文①:連休明けの影響か、こどもたちの声が大きく、低学年男子を中心に室内を走る姿があった。おやつのときに全体へ声かけを行う。入室後は久しぶりにトランプを用意すると、3年生女子を中心に落ち着いて遊んでいた。
例文➁:数日前から「公園に行きたい」という声があり、気候も良かったため午前中に第一公園に行った。園内の遊具や広場を中心に、こどもたちが走り回って遊んでいた。ホットケーキ作りでは、1人2枚ホットケーキを焼き、用意したトッピングを自由にのせていた。見立て遊びをしながら盛り付ける子も多く、楽しそうな様子が見られた。夕方は疲れが出たのか言い争いなどのトラブルが複数みられたため、明日は室内で落ち着いて過ごす時間を多めに確保していきたい。
【個人の様子】
こども一人ひとりの様子を記録することで、成長や変化、支援の経過を振り返りやすくなります。特に、配慮が必要な児童については、継続して記録することが大切です。
▶記入例
例文①:成長や変化を感じた場面
Cさんが1年生のDさんを誘い、トランプで遊んでいた。これまでは上級生と遊ぶことが多かったが、Dさんにルールをゆっくり説明する姿が見られた。年下の子への関わりから友だち関係の広がりが感じられたので、今後も必要に応じて支援しながら見守っていく。
例文②:トラブル対応の記録
ブロックの片付けをめぐり、EくんとFくんが言い合いになる。Eくんが作品を壊そうとしたため職員が間に入る。Fくんは「まだ遊びたい」、Eくんは「時間だから片付けたい」と話していた。作品を写真に残してから片付ける提案を行い、双方が納得して解決した。
◎事故・怪我の対応とヒヤリハット記録
怪我や事故があった場合は、起きた状況や対応内容を簡潔に記録します。事故報告書など、別の報告書を作成する場合でも、日誌に概要を書いておくと後から確認しやすくなります。
▶記入例
例文①:怪我の対応
16:15頃、Gさんが校庭にて鉄棒の逆上がりを行っていた際に落下し、後頭部・背中を地面に打った。
処置:後頭部に赤みが見られたため、約10分間保冷材で冷却を行った。冷却後、赤みは軽減し、痛みや嘔吐などの症状は見られなかったため、室内で安静に過ごした。
連絡:頭部を打っているため、16:30頃に母へ電話連絡を行った。17:00頃に予定より早めのお迎えがあり、来所時に状況と処置内容を説明した。母より「自宅で様子を見る」との申し出があった。
例文②:ヒヤリハット
16:30頃、Hくんが玄関付近で鬼ごっこをしており、ドアに指を挟みそうになる場面があった。すぐに声かけを行い、おやつの時間に全体へ玄関では走らないことを再確認した。
◎職員間の申し送り・学校や関係機関からの連絡事項
日誌は職員同士の情報共有の役割も果たします。学校からの連絡や、保護者からの伝言、体調面での注意点なども記載しましょう。
▶記入例
学校より:インフルエンザ流行のため、明日から3年2組は学級閉鎖。
保護者より:Iさんの母より電話あり。〇日は習い事のため17時に一人帰り予定。
申し送り:本日17:30、Jくんが「だるい」と訴えたため検温すると37.3℃。直後にお迎えとなったが、明日来所の場合は体調の変化に注意。
◆学童の日誌作成を効率化する4つのテクニック
ここでは、日誌の記入を効率よく進めるための方法を4つ紹介します。
◎1.メモの活用
その日の出来事を、あとから思い出して書こうとすると時間がかかり、内容もあいまいになりがちです。ポケットにメモ帳を入れておき、気づいたときに「16:00 Aくん 転倒」などのメモをしておくと、日誌作成がスムーズになります。
◎2.内容のルーティン化
日誌に書く内容を毎回同じ流れで書くようにすると、迷わずに書き進められます。参考として、筆者がこどもの様子を記入するときに意識していた流れを紹介します。
・全体の様子→良かったことや成長を感じたエピソード→反省点やトラブルの記録
・時系列に沿って、活動の様子を記入
自分なりの書きやすい順番を決めておくと「次は何を書こう」と考える時間が減り、スムーズに記入できます。
◎3.生成AI活用
最近では、ChatGPTなどの生成AI活用も広がっています。箇条書きのメモをもとに「日誌用の文章に整えて」と入力すると、数秒程度で読みやすい文章の下書きができます。文章を書くのが苦手な方にとっては心強い味方になるでしょう。
ただし、個人情報の入力には注意が必要です。こどもの名前や家庭の事情など、個人が特定できる情報を入力すると、データが学習に使われる可能性があるとされています。「Aさん」など、個人が分からない表現に置き換えて使いましょう。
◎4.学童保育施設向けICTシステムの活用
学童保育向けのICTシステムを使うことで、日誌作成をさらに効率化できます。
VISH株式会社が提供する学童保育施設向けICTシステムの「Hokally(ホーカリー)」では、日誌にテンプレートや例文をあらかじめ登録できます。毎日の入力がしやすくなり、施設ごとに内容を自由に調整できるため、作業時間の短縮につながります。
▽詳しくはこちら
まとめ:学童の日誌をこどもたちへの関わりに生かそう
日誌は、保育中の出来事を記録するだけのものではありません。1日を振り返り、こどもたちへの声かけや関わり方を考えるための大切な資料でもあります。
毎日記録を続けていくと「最近トラブルが増えている」「この活動は楽しんでいる子が多い」など、気づけることが増えてきます。日誌を上手に活用し、こどもたちへのより良い関わりにつなげていきましょう。
ライター: 加野彩乃
保育士・放課後児童支援員。保育園・学童クラブの現場や、習い事教室事務の経験を経て、現在はWebライターとして活動中。これまでの経験や2児の母としての視点を織り交ぜながら、分かりやすい記事を執筆することを心がけています
児童の安心、保護者の納得、
職員のゆとりをこれひとつで