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コラム

学童保育施設のICT化、その壁はどこにあるのか。ゆふいん児童クラブが語る導入のリアル

学童保育施設のICT化、その壁はどこにあるのか。ゆふいん児童クラブが語る導入のリアル

大分県は令和8年3月、市町村と連携した「こども政策DX共同目標」を策定しました。

放課後児童クラブ(学童保育)については、令和9年度までにICT導入率を80%まで引き上げることを目標に掲げています。
しかし令和7年6月時点での導入率は48%。

保育所等のICT導入率約80%と比べると、まだ大きな差があります。
一方で、すでにICTを導入した施設の96%が「業務効率化を実感している」と回答しており、導入効果自体は明らかです。

なぜ学童保育施設の現場ではICT化が進みにくいのか。そして実際に導入した施設は何を感じているのか。
大分県放課後児童クラブ連絡協議会の主任支援員として活動する、ゆふいん児童クラブの川合様にお話を聞きました。

参考:「こども政策DXの共同目標」について/大分県

学童保育施設のICT化、その壁はどこにあるのか。ゆふいん児童クラブが語る導入のリアル

目次

大分県での導入率は48%、学童保育施設はなぜICT化が進まないのか

現在の48%という導入について、川合様は「低い、時代的にシステム化は当たり前だと思う」と話します。では、なぜ導入が進みにくいのでしょうか。
川合様が真っ先に挙げたのはコストではなく、職員のデジタルリテラシーのばらつきと、情報へのアクセスのしにくさでした。

川合 川合

デジタルが苦手な職員が多いんです。そもそもPCがない児童クラブもあるくらい。デバイスがないということは、扱える職員もいないということで。お金をかけたとて、使えるかどうかというところで悩んでしまいます。

経験年数の長い職員ほど新しい仕組みへの不安を感じやすい傾向があるといいます。

人材不足で効率化が急務な一方、デジタルが苦手なスタッフが多い施設では、導入してもうまく回らないという現実があります。

また、踏み出す前の心理的なハードルも見逃せません。
問い合わせをしたら導入しなければいけなくなるのでは」という不安から、情報収集の段階で足が止まってしまうケースが少なくないようです。

「デジタルは得意じゃない」──それでも率先して導入に踏み切った理由

そんな状況の中、川合様自身はデジタルが得意ではないと言いながらも、率先して導入業務を担い、2025年1月に学童保育施設向けICTシステムHokally(ホーカリー)の導入を実現しました。

川合様ご自身、「得意じゃないからやらない」ではなく「とりあえず少しでも便利になるなら、やってみよう」と考えたといいます。

川合 川合

私もデジタルは得意じゃないんですよ。でも、やるしかない、というのが正直なところでした。

導入直後は苦労もあったと振り返ります。

ICTシステムは専門知識のある人向けに設計されていることも多く、用語や画面の導線が直感的にはわかりにくい場面もあったそうです。

川合 川合

慣れるまでは大変でした。でも、Hokallyの担当者の方が一生懸命サポートしてくださったので、なんとか乗り越えられました。慣れれば職員も保護者も喜んでくれた。やってよかったと思っています。

「全部を一度にICT化」は不要。入退室・出欠管理だけでも、まず始めてみる

ICT化に関心はあるものの、何から手をつければいいかわからないという施設も多いはずです。

川合様がすすめるのは「入退室管理と出欠管理」からのスタートです。

保育園や小学校などでアプリを使った連絡に慣れている保護者にとっては、学童入所後も同様の仕組みを求める声が増えているようです。
そのため、学童保育施設だけが電話や紙に頼り続けることへの違和感も、保護者側にじわじわ広がっていると言います。

川合 川合

出欠管理だけでもシステム化したら随分と楽になりました。それだけ、アナログ運用は本当に大変なんです。

『まずは連絡だけアプリで』でもいいと思います。

今の時代、保育園や幼稚園で保護者は連絡アプリに慣れています。
“学童だけ電話や紙”というのは保護者にとっても不便ですよね。

予約管理など複雑な機能は後回しになったとしても、「まず連絡をデジタル化する」ことで、職員の負担軽減や保護者の利便性向上の第一歩になるかもしれません。

ゆふいん児童クラブでは、ICTシステムHokally(ホーカリー)を導入して、徐々にですが着実に業務効率化につながっていると言います。

川合 川合

まだ紙媒体を完全に捨てきれてないので、作業時間が大きく削減できたわけではないが、業務効率化は確実に進んできています。
これからもっと時間のゆとりを作っていけたらいいですね。

行政に求めるのは「紹介・仲介」と「事例共有」──補助金よりまず橋渡しを

最後に、80%という目標の達成に向けて行政に求めることを聞きました。意外にも、補助金よりも先に挙がったのは「情報の橋渡し役」でした。

川合 川合

システム会社を紹介・仲介してもらえるだけで全然違うと思います。
現場の指導員にとっては、システム会社に問い合わせること自体がまずハードルなので。

もちろん補助金が出れば導入の助けになりますし、こうやったら便利になったという事例をどんどん共有してほしい。

行政によるシステム会社の紹介や仲介が、導入を検討する施設にとって大きな後押しになると川合様は語ります。

また「他施設の職員同士、近くで直接話せてフォローしてもらえるようなつながりがあれば、もっと広がる」という声も。実際にICTを使っている施設のリアルな経験談が、未導入施設の背中を押す力になるといいます。

おわりに

川合 川合

最初はちょっと覚悟が必要でした。でも、うちの場合は、サポートもしっかりしてもらえたから、何とか乗り越えられた。同じように悩む方も、まずは一歩、踏み出してほしいですね。

川合様の話を通じて見えてきたのは、ICT化を阻む壁の多くは「心理的ハードル」と「情報の不足」が原因であるということです。

コストや機能を検討するより前に、「どこに相談すればいいかわからない」という現場職員の心理的負担を解消することが、最初のサポートと言えるかもしれません。

大分県が掲げる導入率80%という目標は、現在の48%から32ポイントの積み上げが必要です。
その道筋をつくるのは、行政の目標設定だけでなく、先行施設のリアルな声とそれを届ける仕組みではないでしょうか。

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Hokally編集部

学童保育現場の声をもとに開発された学童クラブ向け業務支援システム「Hokally」を通じて得た、学童保育の運営ノウハウや、現場の声を発信します。

システム活用にとどまらず、導入段階における施設様の不安解消・サポートを目的とした情報発信にも取り組んでいます。

児童の安全、保護者の安心、
職員のゆとりをこれひとつで

Hokally(ホーカリー)
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