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外国籍家庭の増加という現実
「うちの園には関係ない話」——そう思われるかもしれません。しかし、外国籍の子どもを取り巻く環境は、この10年で大きく変わっています。
文部科学省によると、公立学校に在籍する外国人児童生徒数は、この10年で約1.8倍に増加しました。幼稚園・こども園・保育園でも同様の傾向が見られ、こども家庭庁も外国籍の子どもへの対応を重要な課題としています。さらに、在留外国人は中国だけでなく、ネパールやインドネシアでは前年比3割前後増と急増しています。これから園で求められるのは、英語・中国語だけではなく、ベトナム語やネパール語、インドネシア語など、多様な言語への対応です。
※出典:文部科学省「学校基本調査」(令和7年「外国人児童生徒等教育の現状と課題」参考資料)
園で起きている、言葉の壁のリアル
実際に、外国籍の保護者を受け入れている園からは、こんな声が聞かれます。
・「先生が翻訳アプリを使いながら、外国籍の保護者向けのおたよりを一枚一枚作っている」
・「持ち物やイベントの案内が、本当に伝わっているのか不安」
・「『今日は少し体調が悪そうでした』という園での様子を伝えたいのに、うまく言葉にできない」
いずれも、特別なケースではなく、日々の連絡業務の中で起きていることです。一方で、外国籍の保護者の中にも同じように、分からないことがあっても遠慮してしまい、質問しづらい場面も少なくありません。本来であれば、お子さんの体調や成長について気軽に相談し合える関係でありたいものですが、言葉の違いによって、お互いに不安を感じることもあります。
多様な家庭とのコミュニケーションを支える、幅広い言語対応
実は幼児教育・保育向けICTシステムの多くも、多言語対応を掲げています。しかし中身をよく見ると、対応言語は日本語と英語の2言語、多いところでも中国語を加えた3言語程度にとどまっているケースがほとんどです。
また操作画面だけで、連絡帳やお知らせといった自由記述の文章まで自動翻訳できるシステムはまだ限られています。英語圏の家庭であればそれでも十分かもしれませんが、先ほど見たように、実際に増えているのはベトナム語・ネパール語・インドネシア語圏の家庭です。「英語対応さえしていれば安心」とは言えない状況が、すでに来ています。
なぜバスキャッチは、早くから108言語対応にこだわってきたのか
園支援システム+バスキャッチの保護者アプリ(名称:れんらくアプリ)は、Google翻訳のエンジンをベースに、108の言語に対応しており、かなり早い段階から取り組んできたものです。どんな思いで開発を進めてきたのか、担当者に話を聞きました。
Q1. 翻訳機能を始めたのはいつ頃、何がきっかけだったのか
当時の担当
最初のきっかけは、2018年に提供していた自治体向けバスロケーションシステムでした。外国籍の方にも情報を届けたいという声を受け、多言語対応を開発したんです。その後、園からも『毎回翻訳しながら連絡している』『漢字が読めない外国人の保護者がいる』という声をいただき、園向けシステムにも広げました。
こうした背景には、外国籍の保護者や子どもの増加があります。当時から在留外国人は年々増え、外国籍の保護者や子どもが園に通うことは、特別なことではなくなっていました。
Q2. 当時は、多言語対応に取り組むアプリ自体がまだ少なかったと思います。その中で、なぜ100以上の言語に対応しようと考えたのでしょうか?
当時の担当
一番の理由は、園から実際に声をいただいていたからです。先生方から『特定の保護者のためだけに毎回翻訳している』『英語や中国語以外の言語にも対応してほしい』という声があり、一つひとつの要望に応える形で対応言語を増やしていきました。
外国籍の保護者が多い園ばかりではなく、「外国籍の保護者は1人だけ」という園のほうが多いかと思います。でもその「1人だけ」だからこそ負担が多いという声も聴き、どの園でも安心して使えるよう、108言語対応へと広げていきました。
Q3. 実際に導入園から、多言語対応について印象的な声やエピソードはありましたか?
当時の担当
ある園でのネパール語を話す保護者とのエピソード。以前は言葉の壁から、お子さんの様子を十分に伝えることが難しく、園長先生は「保護者の方もどこか遠慮がちな様子だった」と話していました。しかし、連絡帳を母国語で読めるようになると、保護者の方から「読める!」と喜びの声があったそうです。
多言語対応は、翻訳するためだけの機能ではありません。言葉の壁を減らし、園と保護者が安心してコミュニケーションを取れる環境をつくるためのものです。その思いから、一つひとつの課題に向き合い、現在の108言語対応へと発展してきました。
保護者アプリでできること、できないこと
108言語対応といっても、万能ではありません。正直にお伝えすると、以下のような特徴があります。
<できること>
・連絡帳・お知らせ・アンケートなど、園から配信する内容の自動翻訳
・保護者側は、自分のスマートフォンの言語設定に応じて内容を確認できる
・施設側で特別な準備や追加作業は不要
<先生たちの対応が必要な場面>
・入園面談や、込み入った相談ごと
・緊急時の電話対応など、双方向でのニュアンスが重要なやり取り
「これさえあれば言葉の壁がすべて解消する」ということではなく、日常的な連絡業務の負担を大きく減らし、人による対応が必要な場面に集中できるようにする、という位置づけで捉えていただくのが実情に近いと思います。
園長先生へ、現場の先生へ
園長先生へ 外国籍家庭の増加は、もはや一部の地域だけの話ではありません。「言葉の壁があるから」という理由で選ばれない、あるいは思わぬトラブルにつながってしまう前に、備えておく価値のあるテーマです。多言語対応は、これから園を選ぶ保護者にとっても、安心材料のひとつになります。
現場の先生方へ 「多言語対応」と聞くと、新しく覚えることが増えるのでは、と身構えてしまうかもしれません。しかし実際には、先生側の入力は普段通り日本語のままで大丈夫です。翻訳のためにひと手間かける必要はなく、保護者への説明や電話対応にかかっていた時間が減っていく、という形で負担軽減につながります。
外国籍家庭の増加は、統計からも、現場の声からも、もう見過ごせない変化になっています。そしてその内訳は、英語圏だけでなく、ベトナム語・ネパール語・インドネシア語圏へと広がりつつあります。この記事が、これから外国籍家庭とのコミュニケーションについて考える園の方にとって、ひとつのヒントになれば幸いです。
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