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コラム

【2026年度】学童保育の障害児受け入れ加算とは?配置要件・補助額・申請時の注意点

【2026年度】学童保育の障害児受け入れ加算とは?配置要件・補助額・申請時の注意点

学童保育の障害児受け入れ加算の活用を検討する方のなかには「対象となる要件や補助額を知りたい」「職員の配置はどのようにすれば良いのだろう」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

学童保育の「障害児受け入れ加算」は、障害のあるこどもの受け入れに必要な職員配置を支える制度の通称です。主に「障害児受入推進事業」と「障害児受入強化推進事業」に分けられており、受け入れるこどもの人数や必要なケアによって、対象となる事業と補助基準額が変わります。

この記事では、こども家庭庁の資料をもとに、2つの補助事業の違いや、対象となるこどもの要件、人数別の補助基準額を解説します。職員の配置要件や申請時の注意点も紹介するため、障害児の受け入れ体制を検討する際にお役立てください。

目次

◆学童保育の障害児受け入れ加算とは?制度の概要と活用するメリット

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まずは、障害児受け入れ加算の目的と、障害児受入推進事業・障害児受入強化推進事業の違いを確認しましょう。なお、申請要件や申請方法などは自治体によって異なる場合があります。児童の受け入れや職員の採用、配置を決める前に、施設のある自治体へ確認しておくと安心です。

【参照】こども家庭庁「「放課後児童健全育成事業」の実施について 」

◎障害児受け入れ加算は職員配置にかかる費用を支援する補助事業

学童保育の障害児受け入れ加算制度の基本となるのが、障害児受入推進事業です。障害児受入推進事業は、障害のあるこどもの受け入れに必要な専門的知識等を持つ放課後児童支援員等を配置し、学童保育の運営を円滑にするための事業です。
職員の配置方法には、主に次の2つがあります。

①自治体が職員を直接雇用し、施設へ派遣する
②運営事業者が職員を雇用し、自治体が委託費や補助金を支給する

国から各施設へ一律に支給される仕組みではなく、市町村を通して実施されます。

◎「障害児受入推進事業」と「障害児受入強化推進事業」の違い

前述の通り、障害児受入推進事業は、障害のあるこどもを受け入れるための基本的な職員配置を支援する事業です。一方で、障害児を3人以上受け入れる場合や、医療的ケア児への対応が必要な場合には「障害児受入強化推進事業」が活用できます。受け入れ人数や必要な支援に応じて、職員の追加配置などを行った場合に費用を補助する制度です。

2つの事業の主な違いは、次の通りです。

事業名 主な役割 対象となるケース
障害児受入推進事業 専門知識等を持つ職員の基本的な配置を支援 障害児の受け入れ体制を整える場合
障害児受入強化推進事業 職員の追加配置や、医療的ケア児の支援 ・障害児を3人以上受け入れる場合 ・医療的ケア児を受け入れる場合

障害児受入強化推進事業は、原則として障害児受入推進事業を活用していることが前提です。そのうえで、障害児の受け入れ人数や必要な支援に応じて、職員を追加配置する場合に活用できます。ただし、医療的ケア児の受け入れに伴う看護職員等の配置や送迎支援のみを行う場合は、障害児受入推進事業を実施していなくても、障害児受入強化推進事業の対象となります。

◎障害児受け入れ加算の対象となるこども

国の実施要綱では、対象となるこどもの例として、次のようなケースが示されています。

・療育手帳や身体障害者手帳等を持つこども
・特別児童扶養手当証書を持つこども
・公的機関の意見等により、同等の障害があると認められるこども

手帳を持っていなくても、医師や児童相談所などの意見をもとに、対象として認められる場合があります。ただし、自治体によって対象となる障害児の定義が異なるため、事前に確認しておきましょう。

◎障害児受け入れ加算を活用するメリット

障害児受け入れ加算を活用するメリットは、必要な職員を配置しやすくなり、施設全体で受け入れ体制を整えられる点です。

▶主なメリット
・専門知識や支援経験を持つ職員を確保しやすくなる
・個別対応と集団全体の見守りを分担できる
・既存職員の負担や対応の偏りを軽減できる
・地域における障害児の受け入れニーズに応えられる
・必要な人件費の一部を補い、運営体制を維持しやすくなる

学童保育では、集団全体の安全を見守りながら、一人ひとりの特性や必要な支援に合わせた対応が求められます。専門的な知識を持つ職員を追加で配置することで、個別対応と集団全体の見守りを分担しやすくなるため、既存職員の負担軽減にもつながります。障害児受け入れ加算は、必要な人件費を補うだけの制度ではなく、こどもが安心して過ごせる環境と、職員が落ち着いて支援できる体制を両立するための仕組みといえます。

◆学童保育の障害児受け入れ加算の補助基準額と人数別の職員配置

ここからは、学童保育の障害児受け入れ加算について、2026年度の補助基準額と人数別の職員配置を紹介します。ただし、実際の補助額や対象経費は自治体によって異なるため、申請前に確認してください。

【参照】こども家庭庁「「放課後児童健全育成事業」の実施について 」
こども家庭庁「子ども・子育て支援交付金の交付について(交付要綱)」
こども家庭庁「令和8年度放課後児童健全育成事業Q&A 」

◎障害児を1人以上受け入れる場合|基本となる職員配置と補助基準額

障害児受入推進事業の国庫補助基準額(国が自治体へ交付する金額を算定する際の基準)は、1支援の単位当たり年額235万2,000円です。(※支援の単位:こどもと職員で構成する、学童保育の運営や職員配置の基準となるグループ)障害児受入推進事業では、障害児の受け入れに必要な専門的知識等を持つ放課後児童支援員等を配置します。通常の運営費に一律で加算されるのではなく、対象となる職員の人件費などを支援する仕組みです。年度途中から事業を開始するなど、実施月数が12か月に満たない場合は、次の計算式で基準額を算定します。

<計算式>基準額×事業実施月数÷12

(例)障害児受入推進事業を6か月実施した場合の基準額
235万2,000円×6÷12=117万6,000円

なお、1か月に満たない端数が生じた場合は、1か月として扱います。
【参照】こども家庭庁「子ども・子育て支援交付金の交付について(交付要綱)」

◎障害児3~5人・6~8人・9人以上|追加配置人数と補助基準額

障害児が1~2人の場合は、基本となる障害児受入推進事業を活用します。2人目を受け入れた時点で補助基準額が増える仕組みではなく、障害児が3人以上となり、専門的知識等を持つ職員を追加配置する場合に、障害児受入強化推進事業の対象となります。障害児を3人以上受け入れる場合は、基本となる障害児受入推進事業の職員に加えて、専門的知識等を持つ職員を追加配置します。

2026年度(令和8年度)の国庫補助基準額は、次の通りです。

障害児の受け入れ人数 追加する職員数 国庫補助基準額(年額)
3~5人 1人以上 235万2,000円
6~8人 1人 235万2,000円
6~8人 2人以上 470万4,000円
6~8人 1人 235万2,000円
9人以上 2人 470万4,000円
9人以上 3人以上 705万6,000円

※表の金額は、基本となる障害児受入推進事業に加えて職員を追加配置する場合の、障害児受入強化推進事業の国庫補助基準額です。実際に施設へ交付される金額は、自治体へ確認してください。

障害児の受け入れ人数が増えるだけで上位の基準額が適用されるわけではなく、実際に追加する職員の数も確認されたうえで国庫補助基準額が決定します。たとえば、障害児を6人受け入れていても、追加配置する職員が1人であれば、基準額は年額235万2,000円です。受け入れ予定人数だけでなく、必要な職員を何人確保できるかも含めて計画を立てましょう。

◎医療的ケア児|看護職員等の配置・送迎支援と補助基準額

医療的ケア児とは、人工呼吸器の使用など、日常生活を送るうえで医療的な支援を必要とするこどもです。医療的ケア児を受け入れる場合は、障害児が3人未満であっても、看護職員等の配置や送迎支援が補助対象になる場合があります。

支援内容 国庫補助基準額(年額)
看護職員等を配置する 406万1,000円
看護職員等が送迎支援などを行う 135万3,000円

送迎支援には、看護職員等が付き添う学校から学童への移動や、学童から自宅・病院への送迎などが含まれます。訪問看護ステーションと契約し、看護職員の派遣を受ける形も対象です。必要な医療的ケアの内容によって、求められる職種や体制は変わります。学校や医療機関、保護者と情報を共有したうえで、早めに自治体へ相談しましょう。

▶あわせて読みたい
障害児受入推進事業のほかにも、学童保育で利用できる補助制度を幅広く知りたい方は、補助金セミナーの開催レポートもあわせてご覧ください。

「【開催レポート】知って得する!学童保育の補助金の話 その壱 〜国の補助金満額もらうと1,200万超えるってホント!?〜」

◆学童保育の障害児受け入れ加算に必要な職員の配置要件

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ここでは、障害児受け入れ加算を活用する際に確認しておきたい、職員配置の要件を解説します。

【参照】こども家庭庁「「放課後児童健全育成事業」の実施について 」
こども家庭庁「令和8年度放課後児童健全育成事業Q&A 」

◎「専門的知識等を有する職員」は資格・経験・研修をもとに自治体が判断する

「専門的知識等を有する職員」に該当するかは、自治体が次の内容を総合的に見て判断します。

・自治体等が実施する研修の受講歴
・学童保育で障害児を担当した経験年数
・保育士資格や教員免許などの保有資格

資格を持っているだけで補助対象になるとは限らないため、採用予定者の経歴や資格、研修の修了証を整理したうえで、対象職員として認められるか確認しましょう。

◎通常の配置基準との関係|加配・選任・兼務で補助対象はどう変わる?

障害児受入推進事業では、通常の配置基準を満たしたうえで、専門的知識等を持つ職員を加える「加配」が基本です。

ただし、次のような配置も補助の対象になる場合があります。

▶すでに通常の配置基準を超える人数を配置している場合
すでに基準を上回る人数の職員を配置している場合は、そのうち1人を障害児対応の職員として選任しても補助対象になる場合があります。

▶配置基準どおりの職員のうち、1人が障害児対応を兼務する場合
通常の育成支援を担当する職員が障害児対応も兼務する場合は、障害児対応に携わった時間や業務量などに応じて、対象となる経費が算定されます。

通常の配置基準を満たしていない場合や、対象職員の勤務実績を確認できない場合は、補助対象として認められない可能性があります。配置を決める前に要件を確認し、勤務表や業務記録を残しておきましょう。

◎障害のあるこどもが利用する時間帯に必要な職員配置

障害児受入強化推進事業の対象となる職員は、すべての開所日・開所時間に配置する必要はありませんが、障害のあるこどもが利用する日と時間帯には、必ず配置する必要があります。一方、医療的ケア児に対応する看護職員等は、こどもが利用している間、常に配置する必要があるわけではありません。医療機関等の指示をもとに、医療的ケアが必要とされる時間帯には必ず配置します。

こどもの利用予定や必要な支援を把握し、勤務表へ正確に反映しましょう。急な欠勤が発生した際にも対応できるよう、代替職員や連絡体制も決めておくと安心です。

◆学童保育の障害児受け入れ加算を活用する流れと申請時の注意点

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ここからは、障害児受け入れ加算を活用する流れと注意点を解説します。

【参照】こども家庭庁「令和8年度放課後児童健全育成事業Q&A 」

◎地域のニーズと受け入れ予定人数を確認して自治体へ事前相談する

まずは、現在の利用希望や学校・保護者からの相談をもとに、障害のあるこどもの受け入れニーズを確認します。受け入れを検討する際は、予定人数や利用開始時期を整理したうえで、早めに自治体へ相談しましょう。自治体によっては、事業の開始や職員の配置前に申請・承認が必要な場合があるため、職員の採用や配置を確定する前に、申請の時期や手続きの順番を確認すると安心です。

▶自治体へ確認したい内容
・対象となるこどもの要件
・必要な職員の資格や経験
・配置する期間と時間帯
・必要な書類
・申請期限や提出方法
・補助対象となる人件費

自治体への確認後、必要な職員の採用やシフト調整、申請書類の準備などを進めましょう。

◎対象確認書類や職員の配置を証明する書類を準備する

申請時には、対象となるこどもの状況や、職員の配置を確認できる書類の提出を求められる場合があります。

▶準備する書類の例

【利用するこどもに関する書類】
・療育手帳
・身体障害者手帳
・特別児童扶養手当証書
・医師の診断書や意見書
・利用登録や受け入れ予定を確認できる書類

【支援にあたる職員に関する書類】

・資格証や研修修了証
・障害児支援の経験が分かる経歴書
・雇用契約書や職員名簿
・勤務表や出勤簿
・賃金台帳

必要書類は自治体によって異なるため、申請前に確認し、余裕を持って準備しましょう。申請後も勤務実績を確認できるよう、職員の勤務時間や担当業務を記録しておくことが大切です。

◎利用がない場合や年度途中で受け入れ人数が変わった場合の取り扱い

障害児受入推進事業は、障害児を受け入れるために整えた体制そのものを支援する事業です。専門的知識等を持つ職員を配置していれば、結果として年間を通じて障害児の利用がなかった場合でも補助対象となります。一方、障害児受入強化推進事業では、実際に利用した人数ではなく、利用登録の申し込みをした障害児の人数をもとに区分を判断します。年度途中で入退所があった場合は、登録した障害児が3人以上となる期間が対象のため、注意が必要です。人数に変更があった際は、早めに自治体へ伝えましょう。また、年度途中で医療的ケア児が退所した場合は、退所後の期間は補助対象となりません。将来の受け入れに備えて看護職員等を配置しているケースも、補助対象にならないため注意しましょう。

年度途中の入退所によって登録人数が変わった際は、速やかに自治体へ連絡し、必要に応じて申請内容を変更しましょう。

◆まとめ|学童保育の障害児受け入れ加算は自治体への早めの相談が重要

学童保育の障害児受け入れ加算は、障害のあるこどもの受け入れに必要な職員配置を支える制度です。地域のニーズや受け入れ予定人数を整理し、自治体と連携しながら無理のない体制づくりを進めましょう。また、受け入れ体制を安定させるには、職員がこどもと向き合う時間を確保する視点も欠かせません。

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ライター:加野彩乃

保育士・放課後児童支援員。保育園・学童クラブの現場や、習い事教室事務の経験を経て、現在はWebライターとして活動中。これまでの経験や2児の母としての視点を織り交ぜながら、分かりやすい記事を執筆することを心がけています。

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