12月が近づくと、子どもたちから「先生、クリスマスって何?」「サンタさんは本当にいるの?」といった素朴な疑問が寄せられる時期ですね。
園でもクリスマス会や制作の準備が始まります。子どもたちにとって、クリスマスはワクワクする特別なイベントの一つです。
しかし、その「なぜ?」に答えるのは意外と難しいものです。宗教的な背景をどこまで伝えるべきか、年齢に合わせてどう言葉を選べばよいか、悩む先生も多いのではないでしょうか。
この記事では、保育園や幼稚園の先生方に向けて、子どもたちの「知りたい!」という好奇心を「学び」と「成長」につなげるための、クリスマスの解説方法と、年齢別の制作物アイデアをご紹介します。
目次
1. なぜクリスマスをお祝いするの? 子どもへの「伝え方」のヒント
子どもにクリスマスの意味を伝える時、大切なのは「年齢に合わせた言葉で、温かい気持ちを共有すること」です。
「クリスマス=イエス・キリストの誕生日」をどう伝えるか
クリスマスは、イエス・キリストという人の「お誕生日」をお祝いする日である、というのが本来の意味です。ただ、いきなり宗教的な話をしても、幼い子どもには難しいかもしれません。年齢に合わせた伝え方の例をご紹介します。
乳児(0〜2歳)向け
宗教的な説明は無理にしなくても大丈夫です。「みんなが笑顔になる、楽しい日だよ」「キラキラしていて綺麗だね」と、雰囲気の楽しさや温かさを共有しましょう。クリスマスソングを歌ったり、手遊びをしたり、絵本を読んだりするのが中心です。
幼児(3〜5歳)向け
「クリスマスはね、イエスさまという、昔の偉い人(みんなに優しい気持ちを教えてくれた人)のお誕生日なんだよ」と、シンプルに伝えてみましょう。「だから、みんなでお祝いして『おめでとう』って言う日なんだ」と付け加えるのも良いですね。「教会」という場所でお祝いする人もいることや、世界中の多くの人がお祝いする日であることを伝えると、社会性や多様性への気づきにもつながります。
ポイント: 特定の宗教を教え込むのではなく、「優しさ」「思いやり」「感謝」といった、クリスマスが持つ普遍的な価値観に焦点を当てることが大切です。
「サンタクロース」はなぜプレゼントをくれるの?
子どもたちの最大の関心事、「サンタクロース」についても触れておきましょう。
サンタクロースのモデルは、「聖(セント)ニコラウス」という、昔(4世紀ごろのトルコ)にいた司教(教会のえらい人)だと言われています。
簡単な伝え方
「昔ね、ニコラウスさんという、とても優しい人がいたんだ。ニコラウスさんは、困っている人たちに、こっそりプレゼントを届けて助けてあげていたんだって」「その優しい気持ちが、クリスマスにプレゼントをくれるサンタクロースさんになったんだよ」「だから、クリスマスは『ありがとう』や『大好き』を伝えたり、優しい気持ちを分け合ったりする日でもあるんだね」
このように伝えると、「プレゼントをもらう日」から一歩進んで、「優しさや感謝を交換する日」としての意味合いを感じ取ってくれるかもしれません。
2. 【年齢別】学びにつながるクリスマス制作物アイデア
クリスマスの意味を学んだあとは、制作活動を通してさらに理解を深めましょう。年齢別の「ねらい」とアイデアをご紹介します。
0歳児・1歳児向け「五感で楽しむクリスマス」
ねらい:素材の感触を味わう、色に親しむ、保育者と一緒に作る楽しさを知る。
アイデア1:トナカイの手形・足形アート
茶色の絵の具で手形や足形をとり、トナカイの顔や体に見立てます。目はシール、角は先生が描き加えてもOK。成長の記録にもなります。
アイデア2:キラキラオーナメント
透明なカップやラミネートフィルムに、キラキラした折り紙や綿、スパンコールなどを貼り付け(または入れて)作ります。光に透かすと綺麗です。
2歳児・3歳児向け「自分でやってみるクリスマス」
ねらい:のりやハサミ(先生の補助あり)の使い方を覚える、簡単な「貼り付け」「通す」作業に挑戦する。
アイデア1:簡単クリスマスリース
紙皿の真ん中をくり抜き、緑色の折り紙をちぎって貼ったり、絵の具で色を塗ったりします。リボンや綿(雪)で飾り付けます。
アイデア2:松ぼっくりのミニツリー
園庭や公園で拾ってきた松ぼっくりに、緑色の絵の具を塗ります。乾いたら、ビーズやポンポンをボンドで貼り付けて飾り付けます。
4歳児・5歳児向け「工夫して創り出すクリスマス」
ねらい:計画性を持って作る、ハサミやのりを自分で使いこなす、友達と協力して作る。
アイデア1:立体クリスマスツリー
緑色の画用紙を円錐形に丸めてツリーの土台を作ります。そこに、自分で切った飾りや、モール、スパンコールなどを自由に飾り付けます。
アイデア2:ステンドグラス風オーナメント
黒い画用紙をクリスマスの形(星、ベル、ツリーなど)に切り抜き、内側をくり抜きます。裏からカラフルなセロファンを貼ると、光を通すステンドグラス風になります。
アイデア3:アドベントカレンダー制作
クラスみんなで協力して、大きなアドベントカレンダーを作るのも楽しい活動です。小さな紙コップや封筒を再利用し、日付を書き、中身(小さなお菓子や「肩たたき券」などのメッセージカード)を入れます。
3. クリスマス会や制作を「保護者」と共有しよう
先生方が心を込めて準備したクリスマス会や、子どもたちが一生懸命作った制作物は、ぜひ保護者の方々にも共有したいですよね。
子どもたちの「できた!」という達成感や、活動中の楽しそうな表情は、保護者にとって何よりのプレゼントです。
しかし、日々の保育業務に追われる中で、
・制作物の写真を一人ひとり撮影し、整理する
・クラスだよりや連絡帳で活動の様子を詳しく伝える
・クリスマス会の動画や写真を安全に共有する
といった作業は、先生方にとって大きな負担になっている側面もあります。
「もっと効率よく、そして深く、園での様子を保護者に伝えたい」
そのような時には、ICTシステムの活用も一つの方法です。
例えば、「園支援システム+バスキャッチ」のようなサービスには、保護者向けの連絡アプリ機能が備わっています。
写真販売機能
園で撮影した制作物やイベントの写真を、アプリを通じて簡単に保護者へ公開・販売できます。セキュリティも安心です。
掲示板機能
クリスマス会のお知らせや、当日の様子を、保護者へ配信できます。
メッセージ、連絡帳機能
子どもの園での様子を、写真付きで個別に伝える際にも役立ちます。
こうしたツールを活用することで、先生方の事務的な負担を減らしつつ、保護者とのコミュニケーションをより豊かにすることができます。子どもたちの成長の記録を、より良い形で残し、共有するための一助となるでしょう。
4. まとめ:クリスマスは「優しさ」と「成長」の機会
子どもたちからの「クリスマスって何?」という質問は、世界の文化や他者への「思いやり」について学ぶ絶好のチャンスです。
・伝えること:イエス・キリストの誕生日(お祝いの日)、サンタクロースの由来(優しさの分かち合い)
・活動すること:五感を使ったり、自分で工夫したりする年齢別の制作活動
・共有すること:学びや成長の様子を、保護者と温かく分かち合う
難しい宗教的な解説よりも、「みんなが優しくなれる日」「ありがとうを伝え合う日」といったメッセージを大切に、子どもたちの心に残るクリスマスを演出してあげてください。先生方の工夫が、子どもたちの豊かな学びと成長につながることを願っています。
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