「さっきの声かけ、少し強すぎたかな、、、」
「忙しくて子どもの話を聞き流してしまったけれど、これって不適切?」
日々、子どもたちと真剣に向き合っているからこそ、ふとした瞬間に自分の保育が正しかったのか不安になることはありませんか?近年、ニュースで「不適切保育」という言葉を耳にする機会が増えました。言葉だけが独り歩きし、現場の先生方が過度に萎縮してしまうケースも少なくありません。
しかし、「自分の保育は大丈夫だろうか」と振り返ることができる先生は、保育の質を高めようとする誠実な先生です。
この記事では、漠然とした不安を解消するために、改めて「不適切保育とは何か」という定義や具体的な事例、そしてなぜそれが起きてしまうのか、その背景と対策について深掘りしていきます。
目次
そもそも「不適切保育」とは? 定義と虐待との違い
まず、「不適切保育」と「虐待」の違いを整理しましょう。
厚生労働省や内閣府の資料において、不適切保育は一般的に「子どもの人権を侵害する関わり」や「虐待には至っていないが、虐待につながる恐れがある行為」と捉えられています。
虐待との境界線は「グレーゾーン」
明らかな暴力や暴言などの「虐待」は、法的に明確に禁止されています。一方で、不適切保育は「しつけ」や「指導」のつもりで行っていたことが、結果として子どもの心身を傷つけていたり、育ちを阻害していたりするケースを指すことが多いです。
重要なのは、先生に悪意があったかどうかではなく、「受け手である子どもがどう感じたか」「子どもの最善の利益になっているか」という視点です。
チェックしてみよう! 不適切保育になりうる5つの類型
全国保育士会などが示している「人権擁護のためのセルフチェックリスト」では、不適切保育につながりやすい関わりを大きく5つのカテゴリーに分類しています。
ご自身の保育や園の現状と照らし合わせてみてください。
1. 子ども一人ひとりの人格を尊重しないかかわり
具体例
・子どもに「ずっと抱っこしてもらっていると恥ずかしいよ」と言葉をかける。
・排泄の失敗対応をその場で行ったり、その失敗を責める言葉がけをする。
・子ども同士のトラブルが起きたとき、子どもたちの言い分を聞かず、一方的に判断を下す。
2. 物事を強要するようなかかわり・脅迫的な言葉がけ
具体例
・「早くしないと置いていくよ!」「お化けが来るよ」と脅す。
・子どもに「○○しないなら○○できないからね」と言葉をかける。
・ごはんをこぼした子どもに対して、床に落としたものを拾って食べるように促す。
3. 罰を与える・乱暴な関わり
具体例
・子どもの頭を手ではたくようにして人数を数える。
・手をつかんで強く引っ張る。
・廊下に立たせる、散歩に行く際に置いて行こうとするなど罰を与える。
4. 一人ひとりの子どもの育ちや家庭環境を考慮しないかかわり
具体例
・ぎりぎりのお迎えに対して、「○○ちゃんのお母さん、今日も遅いね」と言う。
・保護者が提出物を忘れた際に「いつも忘れて困ります」と言ったりする。
・「お休みの日にどこに行ったかお話して」と『全員』に発表してもらう。
5. 差別的な関わり
具体例
・特定の子どもにだけ「おはよう」と言葉がけをする。
・「男の子だから泣かない」や「女の子だからそんな言葉を使ったらいけない」と注意する。
・「○○ちゃんは早くできないのね、だめな子になっちゃうよ」と言う。
参照:全国保育士会「保育所・認定こども園等における擁護のためのセルフチェックリスト」
なぜ不適切保育は起きてしまうのか?
「こんな保育、絶対にしたくない」と誰もが思っているはずです。それなのに、なぜ不適切保育は起きてしまうのでしょうか? そこには、個人の資質だけでは片付けられない、構造的な問題が潜んでいます。
知識や経験の不足と「慣れ」
「自分が先輩にこう教わったから」「昔からこうしていたから」という前例踏襲が、現代の人権感覚とズレている場合があります。また、経験年数が長くなるにつれ、自分のやり方が正しいと思い込み、客観的な視点を失ってしまう「慣れ」も要因の一つです。
慢性的な人手不足と業務過多
これが最も大きな要因かもしれません。
・ギリギリの配置基準で、トイレに行く暇もない。
・休憩時間が取れず、気持ちの切り替えができない。
・山のような書類作成や行事準備に追われ、睡眠不足が続いている。
先生も人間です。 心と体に余裕がなくなれば、どうしても視野が狭くなり、イライラしやすくなります。突発的な子どもの行動に対して、つい強い言葉が出てしまったり、待つ余裕がなくなったりするのは、「先生個人の性格」ではなく「過酷な環境」が引き起こしているSOSである可能性が高いのです。
負の連鎖を断ち切るためにできること
不適切保育を防ぎ、子どもも先生も笑顔で過ごせるようにするためには、どうすればよいのでしょうか。
1. 「振り返り」を習慣にする
「今の言葉、ちょっと怖かったかな?」と感じたら、すぐに子どもに謝ったり、同僚に「さっき言い過ぎちゃった」と話したりしましょう。自分自身の言動を客観視する癖をつけることが、第一歩です。
2. チームで話し合える風土を作る
「それは違うんじゃない?」と指摘し合うのは勇気がいります。まずは、「この場面、どう対応すればよかったかな?」と相談し合える関係性を作りましょう。職員間で保育観を共有し、互いにフォローし合うことが大切です。
3. 業務負担を減らし「心の余裕」を作る(ICTの活用)
精神論や個人の努力だけで、心の余裕を作るには限界があります。物理的な業務時間を削減し、保育に向き合う時間を確保する仕組みづくりが不可欠です。
特に、手書きの書類や電話対応などの事務作業は、ICTシステムの導入で劇的に改善できる分野です。例えば、「園支援システム+バスキャッチ」のようなサービスはご存知でしょうか。
保育ICTシステムには、先生方の負担を軽減する機能が豊富に揃っています。
欠席連絡や預かり保育のシステム化
朝の忙しい時間帯に鳴り止まない電話対応がなくなり、アプリで一括管理できます。
お便りの一斉配信
紙の印刷や配布の手間がゼロになります。
指導要録などの書類作成
デジタル化することで、過去のデータの参照や修正が簡単になり、持ち帰り残業の削減につながります。
「園支援システム+バスキャッチ」のその他の機能はこちらから
「事務作業が早く終わる」ということは、単に楽をするということではありません。「子どもを待ってあげる心の余裕」や「同僚と保育について語り合う時間」を生み出すことに他なりません。環境を変えることは、不適切保育を未然に防ぐための非常に有効な手段です。
まとめ:不安を感じる心こそ、良い先生の証
「もしかして不適切保育?」と悩み、この記事にたどり着いた先生へ。 その不安は、あなたが子どもを一人の人間として尊重し、より良い保育をしたいと願っている証拠です。
不適切保育は、決して許されるものではありません。しかし、先生自身が追い詰められてしまっては、良い保育は生まれません。
1,不適切保育の定義と具体例を知る(セルフチェック)。
2,一人で抱え込まず、同僚と話し合う。
3,業務改善やICT活用で、心に余裕を持てる環境を作る。
まずはできることから、一つずつ見直していきませんか? 子どもたちの笑顔のためにも、まずは先生自身が笑顔でいられる環境を大切にしてくださいね。
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