「さっきの言葉、ちょっと強すぎたかな…」
「言うことを聞いてくれないと、つい大きな声を出してしまう」
日々の保育の中で、家に帰ってから一人反省会をしてしまうことはありませんか? 近年、ニュースでも「不適切保育」という言葉をよく耳にするようになり、「自分の保育は大丈夫だろうか」と不安を感じている先生も多いのではないでしょうか。真面目で一生懸命な先生ほど、理想と現実のギャップに悩み、自分を責めてしまいがちです。しかし、大切なのは「気づくこと」と「引き出しを増やすこと」です。
この記事では、不適切保育の定義を改めて確認し、ついつい使いがちなNGワードと、明日からすぐに使える「魔法の言い換え言葉」をご紹介します。
目次
これって不適切保育?まずは定義を知ろう
そもそも「不適切保育」とはどのような状態を指すのでしょうか。 全国保育士会などが示している「人権擁護のためのセルフチェックリスト」等では、虐待(叩く、保育者の言うことを聞かない等の理由で罰を与えることなど)に該当する行為はもちろんのこと、人権擁護の視点から「『良くない』と考えられるかかわり」全体を注意すべき対象としています。
具体的には、以下のような行為が指摘されています。
1.子ども一人ひとりの人格を尊重しないかかわり
2.物事を強要するようなかかわり・脅迫的な言葉がけ
3.罰を与える・乱暴なかかわり
4.一人ひとりの子どもの育ちや家庭環境を考慮しないかかわり
5.差別的なかかわり
「叩く」などの身体的な行為だけでなく、「言葉による威圧」や「子どもの心を傷つける言動」も不適切保育に含まれるという点を、まずは押さえておきましょう。
無意識に使っていませんか?注意したいNGワード
忙しい保育現場では、安全を守るために、あるいは集団行動を促すために、つい強い言葉を使ってしまうことがあります。しかし、以下の言葉が「口癖」になっていないか、一度チェックしてみましょう。
1. 脅しの言葉
・「先生、もう帰っちゃうからね」
・「鬼さん呼ぶよ!」
・「〇〇しないなら、おやつなし!」
これらは即効性があるように見えますが、子どもは「納得」して動いているのではなく、「恐怖」で動いているだけです。信頼関係が崩れる原因にもなります
2. 否定・禁止の言葉
・「ダメって言ったでしょ!」
・「走らない!」
・「泣かないの!」
「〜しない」という否定形は、子どもにとって「じゃあ、どうすればいいの?」が分かりにくい指示です。
3. 人格否定・比較の言葉
・「なんでできないの?」
・「赤ちゃんみたい」
・「〇〇ちゃんを見習いなさい」
これらは子どもの自己肯定感を大きく下げてしまいます。
明日から実践!シーン別・言い換え事例集
NGワードを使ってしまうのは、先生の性格が悪いからではありません。「別の伝え方の引き出し(バリエーション)」を持っていれば、とっさの時にも冷静に対応できるようになります。
ここでは、よくあるシーン別の言い換え事例をご紹介します。
シーン1:片付けをしてくれない時
NG:「早く片付けなさい!」「捨てちゃうよ!」
恐怖で急かしても、片付けの習慣は身につきません。
OK:「時計の長い針が6になったらおしまいだよ」(見通しを持たせる)
OK:「どっちが早く箱に入れられるか競争しよう!」(遊びにする)
OK:「このブロック、どのお家に帰るのかな?」(擬人化する)
シーン2:廊下を走っている時
NG:「走らない!」「危ないでしょ!」
禁止するだけではなく、「どう動くべきか」を具体的に伝えます。
OK:「廊下は忍者のように歩こうね」(イメージしやすく)
OK:「アリさんの足で歩けるかな?」
OK:「ピタッ!止まれるかな?」(一度止めてから)「ここではゆっくり歩こうね」
シーン3:給食を食べない時
NG:「全部食べないとごちそうさまできないよ」「残しちゃダメ」
完食指導は見直されつつあります。食事は「楽しい時間」であることが最優先です。
OK:「一口だけパックンしてみる?」(ハードルを下げる)
OK:「この人参さん、どんな味がするか教えてくれる?」(興味を引く)
OK:「ここまで頑張って食べたね」(過程を認める)
シーン4:大きな声で泣き叫んでいる時
NG:「うるさい!」「泣き止みなさい!」
まずは感情を受け止めることが、落ち着くための近道です。
OK:「〇〇したかったんだね、悲しかったね」(代弁する・共感する)
OK:「先生、お話聞くから教えてくれる?」
OK:「涙が止まったらお話ししようね」(落ち着くのを待つ)
不適切保育を防ぐカギは「先生の心の余裕」
ここまで言い換え例を紹介しましたが、頭では分かっていても実践できない時があります。 それは、先生自身が疲れていて、心に余裕がない時ではないでしょうか?
・人手不足で休憩が取れない
・事務作業に追われて子どもと向き合う時間がない
・行事の準備で寝不足
このような状況では、誰だってイライラしてしまい、つい強い言葉が出てしまうものです。「私がダメな保育士だから…」と責める前に、「業務負担を減らす方法」を考えることも、立派な不適切保育の防止策です。
ICTツールで「子どもと向き合う時間」を作る
日々の連絡帳の手書き、手作業での出欠管理、指導案の作成…これらに多くの時間を取られていませんか? 最近では、保育現場の業務負担を軽減するために、ICTシステムを導入する園が増えています。
例えば、「園支援システム+バスキャッチ」のようなサービスを活用すると、以下のような変化が生まれます。
・欠席連絡/預かり保育のシステム化
朝の電話対応がなくなり、子どもを迎える準備に集中できる。
・お便りの一斉配信
印刷・配布の手間がゼロに。
・指導要録等の作成支援
事務作業の時間が短縮され、早く帰宅してリフレッシュできる。
「園支援システム+バスキャッチ」のその他機能はこちらから
「機械に任せられること」は機械に任せ、先生は「人でなければできないこと(=子どもへの温かい関わり)」に注力する。そのための環境づくりを園全体で提案してみるのも一つの手です。
まとめ:完璧でなくても大丈夫。まずは一つから
「不適切保育」という言葉に過剰に怯える必要はありません。大切なのは、自分の言動を振り返り、「次はこう言ってみよう」と前向きに修正していく姿勢です。
本日のポイント
1.不適切保育は「言葉の暴力」も含まれると心得る。
2.脅しや否定ではなく、「どうすればいいか」を具体的・肯定的に伝える。
3.イライラするのは「余裕がないサイン」。自分を責めず、環境やツールを見直す。
今日紹介した言い換えの例の中から、まずは一つだけ、明日の保育で使ってみてください。先生の言葉が変われば、子どもの表情もきっと変わるはずです。
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