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保育のAI活用とは?業務負担を減らすメリット・導入の注意点と活用例7選

保育のAI活用とは?業務負担を減らすメリット・導入の注意点と活用例7選

「最近ChatGPTなどのAIが話題だけれど、保育の仕事でも使える場面はある?」
「AIって難しそう。自分にも使いこなせるのかな?」
「AIを使うと、保育のあたたかさが失われてしまいそうで少し不安」

このように感じている保育士の方も多いのではないでしょうか。

筆者は元保育士で、現在はインターネット上で記事やコラムを書くWebライターとして活動しています。保育士として働いていた頃は、おたより作成や日誌の入力をパソコンで行っていましたが、ITに詳しかったわけではありません。それでも今では、仕事や日常生活の中でAIを取り入れ、作業を効率よく進めています。

実際に使ってみて感じるのは、AIは難しいものではなく、保育士の仕事を支えてくれる心強いツールだということです。

この記事では、保育現場でAIを活用するための基本的な知識やメリット、気をつけたいポイントをわかりやすく解説します。
最後には保育現場でのAI活用事例を7つ紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

保育現場におけるAI活用とは

まずは保育現場でAIが必要な理由と、ICTの違いについて紹介します。

まずは保育現場でAIが必要な理由と、ICTの違いについて紹介します。

保育現場でAIが必要な理由

保育現場でAIが必要とされている一番の理由は、人手不足と業務量の多さが深刻化しているためです。

こども家庭庁の「保育士の有効求人倍率の推移(全国)」では、2025年1月時点の保育士の有効求人倍率は3.78倍で、全職種の平均である1.34倍より大きく上回っています。背景には保育需要の増加や潜在保育士の存在などがあり、長年指摘されている保育士不足がなかなか改善されていないのが現状です。

また、保育士の業務量の多さや負担感も課題ですが、業務効率化のためにデジタルツールを活用をする園が増えています。国も「保育所等におけるICT化推進事業」として補助金を出しており、AIも保育士の負担を減らすためのツールとして注目されています。

実際に、厚生労働省では2020年から2021年にかけて「ロボット・AI・ICT 等を活用した保育士の業務負担軽減・ 業務の再構築に関する調査研究」が行われました。ツールを活用することで時間にゆとりを生み出し、結果として保育の質を高めるために有効な手段であることが示されています。

AIとICTの違い

AIはICTと混同されやすいですが、役割に違いがあります。

■ICT(Information and Communication Technology)
タブレットでの登降園管理や、アプリを使った保護者連絡など、記録・連絡・管理をデジタル化して便利にするシステムのこと。

■AI(Artificial Intelligence)
人工知能のこと。学ぶ・考える能力があり、データを与えることで人間のように学習・推論・判断などが行える。
さらに、ChatGPTなどの生成AIは学習したデータをもとに、新しい文章・画像・音声などを生成できる。

ICTは業務を効率化するためのシステムAIは間違いや抜け漏れをなくしたり、考える・書く作業をサポートしたりするような存在です。どちらも活用することで、さらに事務作業の時間を短縮し、こども達に直接関わる業務に時間を費やすことができます。

保育でAIを活用する5つのメリット

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近年は午睡中の見守りに使われるAIカメラなど、保育現場でのAI活用は少しずつ広がっています。ここからは、AIの中でもChatGPTなどの生成AIを活用するメリットを、5つに分けて紹介します。

1.事務作業の時間短縮

一番のメリットは、書類作成などの事務作業の時間を大きく減らせることです。

保育士は日頃から日誌や指導案、おたより、連絡帳など、多くの文章を作成する必要があります。午睡中に作業を進めたり、保育中に現場から抜けて時間を確保したりする園がほとんどですが「午睡中はこども達を見守りながら作業するため、思うようにはかどらない」「保育の体制が厳しく、保育中に事務作業ができない」ということも多いのではないでしょうか。

ChatGPTなどの生成AIを使えば、条件や箇条書きで内容やキーワードを入力するだけで、数秒から数分程度で下書きを作ってくれます。下書きがあることで考える時間が短くなり、推敲や確認に集中できるため、事務時間の短縮につながります。

2.こどもと向き合う時間が増える

事務作業の時間が短くなれば、こども達と過ごす時間を増やせるので、遊びや活動をゆっくり見守れるようになります。

また「書類が終わっていない」と焦る気持ちがなくなることで、保育士の心に余裕が生まれることもメリットです。余裕があるとこども達の変化に気づきやすくなり、結果的に保育の質や安全性の向上にもつながります。

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3.企画やアイデアのヒントになる

行事や製作、遊びのアイデアが思いつかないとき、AIに相談してみるのもおすすめです。
例えば「梅雨の時期に室内でできる3歳児向けの運動遊びを5つ考えて」と入力すると、すぐに提案してくれます。自分では思いつかなかったアイデアが出てくることもあり、保育の引き出しが広がります。

4.苦手な業務への心理的ハードルが下がる

「文章を書くのが苦手」「保護者への伝え方が難しい」と感じる保育士の方にとって、AIは心強いツールです。一から文章を作ると負担を感じますが、下書きをAIに書いてもらえるだけでも「楽になった」と感じる人は多いです。

特に、謝罪やお断りなどの言葉選びが大切な場面では、AIが丁寧で角の立たない表現を提案してくれます。「何を書けばいいかわからない」「この文章で大丈夫だろうか」という悩みや不安を減らし、心理的な負担を軽くできます。

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5.経験年数によるスキルの差を埋める

経験の浅い先生とベテランの先生では、どうしても指導案作成や保護者対応のスキルに差が出てしまいますが、AIを使うことで一定のレベルの文章や計画を作りやすくなることもメリットです。

AIが作ったおたよりや指導案をもとに作成し、先輩が確認することで、作成やチェックにかかる時間を減らせます。また、園内でも経験による保育内容の差が縮まることで、園全体の保育の質向上にもつながるでしょう。

知っておきたいデメリットと安全に活用するための導入ルール

AIは業務効率化の心強い味方ですが、使い方を間違えると大きなトラブルにつながる可能性もあります。特に保育現場では多くの個人情報を取り扱うため、慎重な運用が必要です。

AIは業務効率化の心強い味方ですが、使い方を間違えると大きなトラブルにつながる可能性もあります。特に保育現場では多くの個人情報を取り扱うため、慎重な運用が必要です。

ここではAIを使い始める前に知っておきたいリスクや、安全に使うためのポイントを紹介します。

AI導入のデメリットとリスク4つ

AIを安全に使うために、次の4つのリスクを理解しておきましょう。

1.個人情報の漏洩リスク
入力した内容がAIの学習に使われ、他の利用者の回答に混ざってしまう危険があります。
こどもの名前や住所など、個人が特定される情報の入力は絶対に避けましょう。

2.ハルシネーション(事実と異なる内容)
特に、学習データが不足している場合や、プロンプト(指示文)が曖昧な場合には、AIが事実とは異なる内容を出力することがあります。本来は「分からない」と判断すべき場面でも、もっともらしい情報を作り出し、正しい事実のように示してしまうことがあるため、使用する際には注意が必要です。

3.著作権を侵害する恐れ
特定のキャラクターに似た画像を作る、既存のコンテンツと似た文章を生成するなど、著作権を侵害するリスクがあります。

4.過度にAIへ依存してしまう
AIに任せすぎると、観察力や文章力が育ちにくくなることがあります。AIはあくまで補助ツールとして使用しましょう。

トラブルを防ぐための5つの導入ルール

リスクを避けて安全に活用するために、園全体で次のルールを徹底しましょう。

1.個人情報は絶対に入力しない
名前や住所、電話番号など、個人を特定できる情報の入力は絶対にやめましょう。
もし入力する場合は「Aちゃん」などの匿名の情報に置き換えて入力します。

2.生成物は必ず人の目で確認する
AIが作った内容に誤りや不適切な表現がないか、職員が必ず確認することを徹底しましょう。

3.著作権や利用規約を守る
使用するツールの規約を確認し、利用の範囲などを把握したうえで活用しましょう。

4.学習に使われない設定を行う
入力データを学習に利用させない「オプトアウト設定」を必ずオンにします。設定画面から切り替えられることが多いです。また、学習がデータに使われない企業向けのプランを利用するのも一つの方法です。

5.園内での運用ルールを作る
「どの業務で、どのツールを使うか」「入力してよい情報の範囲」など、明確なガイドラインを作り、全員に共有します。

AI活用を始めるための3ステップ

ここまでを読んで「AIを使ってみたい!」と感じた保育士さんも多いのではないでしょうか。

ここまでを読んで「AIを使ってみたい!」と感じた保育士さんも多いのではないでしょうか。

この章では、AIを使い始めるための3つのステップを紹介します。

1.アカウントを作る

まずは、生成AIサービスのアカウントを作りましょう。
ここでは利用者が多いChatGPT、Googleが提供する生成AIサービスのGeminiを紹介します。

ChatGPT(チャットジーピーティー)
メールアドレスを入力後、任意のパスワードや氏名・生年月日を入力することで利用できます。Google、Microsoft、Appleアカウントを持っている場合は、各アカウントデータを連携することでも利用可能です。

Gemini(ジェミニ)
Googleアカウントがあれば、Webサイトにアクセスしてログインすると利用できます。

はじめは園の共用パソコンやタブレットではなく、個人のスマートフォンや自宅のパソコンで試すのが安心です。

2.簡単な質問から試してみる

登録できたら、実際にAIを使ってみましょう。「今日の夕飯はなにがいいと思う?」などの気軽な質問や、専門用語が多い文章をコピペして「この文章を分かりやすく説明して」など、日常のサポートとして利用してみるのも良いでしょう。

また、モヤモヤした気持ちの整理を手伝ってもらう、AIの使い方のコツを聞いてみることもおすすめです。

3.職員間で事例を共有する

少し慣れてきたら、園内で「こんなふうに使ったら便利だった」と共有してみましょう。「おたよりの挨拶文がすぐに作れた」「行事のアイデアがたくさん出てきた」など、成功事例を伝え合うことで、他の職員も使ってみたいと感じます。

得意な先生が講師役になり、勉強会を開くのもおすすめです。一人で取り組むのではなく、チームで楽しみながらAI活用を進めていきましょう。

【実践編】保育での生成AIの活用事例7つ

最後に、保育士の業務ですぐに使えるAI活用事例を紹介します。

最後に、保育士の業務ですぐに使えるAI活用事例を紹介します。

おたより・クラス通信の作成

1.時候の挨拶を作成する
毎月のおたよりで、時候の挨拶に悩む方も多いのではないでしょうか。AIを活用すれば、気候や季節感を踏まえた挨拶文を、複数のパターンで出力してもらえます。

【入力例】
保育園の3月のおたよりで使える、春の訪れを感じられるような挨拶文を5パターン作ってください。

文章のトーンも堅め・やわらかめなど、園やクラスの雰囲気に合わせて調整できます。

2.イベントのお知らせの下書き作成する
遠足や園行事のお知らせなどの下書きも作成できます。

【入力例】
幼稚園の保護者に配布する、芋ほり遠足の手紙を作って。
日程:〇月〇日(△)9:00までに登園してください
場所:いもほりファーム(〇〇市)
持ち物:弁当、水筒、レジャーシート、軍手、着替え一式

・雨天時は通常保育。予備日は〇月△日(□)
・長靴・汚れても良い服装で登園する

日時や場所などは特定できない形で入力するようにしましょう。

3.伝わりやすい文章への推敲
「なんだか読みづらい気がする」「失礼な表現はないかな」と不安なときは、文章をコピペしてから次の内容を入力してみてください。

【入力例】
保護者に配る手紙です。初めて読んでも内容がすぐ分かり、安心できる丁寧な文章に直してください。

「丁寧で分かりやすくして」でも伝わりますが、文章を読む相手に感じてほしい気持ちや、文章を作成する背景を入れると、AIが指示をより理解しやすくなるのでおすすめです。

指導案・日誌の作成補助

4.ねらい・環境構成のアイデア出し
月案・週案のねらいや配慮事項を考えるときにも、AIが役立ちます。

【入力例】
保育園の2歳児クラスの10月の月案を作成します。散歩をテーマにして、ねらいと配慮事項を5つずつ作ってください。

AIが出力した文章から、クラスのこども達に合わせて修正すれば、作成時間を大きく短縮できます。

5.保育日誌の下書きを作る
こども達の午睡の見守りや、他の業務をこなしながら日誌を書くのは大変ですよね。保育の様子を箇条書きにして、AIに下書きをしてもらうと時間短縮になります。

【入力例】
次の文章をもとに、4歳児の保育日誌の文章にして。
午前中:園庭遊び(鬼ごっこ、砂場、縄跳び)
・寒かったため、全員で鬼ごっこをしてから自由遊びをした
給食:完食した子が多い
午睡:Aちゃんの入眠に時間がかかった

下書きをもとに、修正と細かい部分の入力を行いましょう。園児の名前を入力しないように注意してください。

行事・イベントの企画

6.行事の企画案を出してもらう
夏祭りやクリスマス会など、毎年似た内容になりがちな行事も、AIを活用すると新しいアイデアが浮かぶことがあります。

【入力例】
こども園で親子参加型の夏祭りを開催します。テーマの「SDGs」を意識して、出店アイデアを準備物と合わせて表形式で5つ考えてください。お店は職員と有志の保護者で運営します。

7.出し物の台本作成
劇や人形劇の台本作りも可能です。

【入力例】
3~5歳児のこども向けに、桃太郎をベースにした歯みがきの大切さを伝える劇をしたいです。保育士4人でできる、10分程度の劇の台本を考えて。

動きのアイデアも出してくれるので、AIの台本をベースに内容を膨らませていけると良いですね。

まとめ:AIは保育の強い味方

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保育現場でAIを活用すると、文章作成にかかる時間を短縮できるほか、保育内容や行事に関する新しいアイデアを生み出すことができます。事務作業の負担が軽減されることで、保育士に心の余裕が生まれ、結果として保育の質の向上にもつながります。

一方で、個人情報を入力しないことや、AIが生成した内容を必ず人の目で確認することが重要です。ポイントをおさえながら、上手にAIを活用していきましょう。

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