無料説明会
お知らせ

【登壇レポート】なぜ、幼稚園にAIが必要なのか ~AI時代に見つめたい、先生にしかできない「感情の学び」~

【登壇レポート】なぜ、幼稚園にAIが必要なのか ~AI時代に見つめたい、先生にしかできない「感情の学び」~

2026年4月22日(水) に開催された杉並区私立幼稚園連合会の教諭研修会にVISH株式会社が登壇。

「なぜ、幼稚園にAIが必要なのか。~AI時代に見つめたい、先生にしかできない『感情の学び』~」というテーマで講師を務めました。東京都杉並区の私立幼稚園の園長・教諭ら計44名が参加した本研修会の内容を、レポートとして公開します。

AIとICTの使い分けや、生成AIを活用した指導要録作成支援などの最新事例をご紹介します。幼児教育・保育業界におけるAI活用・効率化について関心をお持ちの皆様は、ぜひお読みいただければ幸いです。

登壇の様子

登壇の様子

登壇者情報

西尾 真吾 西尾 真吾

VISH株式会社 執行役員
2010年入社。幼稚園向けICTシステムの普及を推進。

前田 悟志 前田 悟志

VISH株式会社 エンジニア/AI委員会委員長
二児の父。

◆先生の仕事はAIに奪われる?

生成AIの登場により、世の中の多くの仕事の在り方が変容しました。
「AIが人間の仕事を奪う」という言説に、危機感を覚える人も多くいます。

AIが日常に浸透しつつあるこの時代。

本研修は、「先生もAIを使うべきなのか?」「どんな使い方をしたらいいかわからない」と不安に感じる先生たちに向けて、AIとのよりよい付き合い方を提案するものです。

まずは、【幼児教育・保育】という領域に対して、AIは一体どのような影響を与えるのか?
そんな疑問にお答えしていきます。

◎AIで奪われる仕事、奪われない仕事

前田:まず断言できることは、AIやICTが発展しても、先生の仕事は絶対にAIには代替できないということです。

画像

引用:日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に/株式会社野村総合研究所(2015年12月2日)

前田:上記は、2015年に野村総研が示した「AIで代替されやすい職業・代替されにくい職業」の一覧です。

幼稚園教諭や保育士は、代替の可能性が低い職業の代表として挙げられています。

なお、少し古いデータ(登壇発表は2026年4月)であるため、以前はコピーライターやフリーライター、アナウンサーなど代替可能性が低いと考えられていた職業も今やAIに浸食されつつあります。

しかし、エンジニアとして日々AIに関わる立場だからこそ、将来どれだけAIが進化しようと、なおさら先生の仕事の価値は変わらないままであり続けると考えています。

◎先生にしかできない仕事って何?

前田:先生がAIに代替されないと考える一つ目の理由は、幼児教育・保育の現場では常に予測不可能な対応が求められるためです。日々変わる子どもの様子を把握し、突然の発熱や体調不良など、その場での臨機応変な判断を求められることばかりです。

そして、二つ目の理由は、幼児教育・保育においては心のケアやスキンシップが必要とされること。ほんとうの身体と心を持たないAIには、子どもや親の不安に共感したり、ただ傍に座って寄り添ったりといった関わりは代替できません。

画像

前田:これは二児の父親としての個人的な話なのですが、先日我が子の卒園式に参加しました。式で「さよならぼくたちのほいくえん」を歌う子どもたちを見て、涙が止まらなくなるという経験をしたんですね。

熱を出して看病をしたこと、お迎え時に園庭で遊んでいた姿、運動会で一生懸命クラスの友だちと力を合わせる姿…。

その場の演出に感動したのではなく、園生活で積み重なってきた時間そのものが、とても貴重に感じられて、涙が自然と溢れてきました。そして、それほどに日々の積み重ねを支えてきてくださった先生方の関わりの大きさを実感したんです。

一人ひとりの成長をそばで見守り、子どもの気持ちへ寄り添い、かけがえのない思い出を一緒に重ねる…。こうした、先生が日々当たり前にしている仕事こそ、AIに代替されない「人間にしかできない仕事」だと断言します。

だからこそ、AIやICTは「先生の仕事を奪う道具」ではなく、「先生が本当に大切にしたい仕事に集中するための手助け」として使うべきだと強く感じています。

◎AIがもたらすのは子どもと向き合うゆとり

前田:先生の仕事そのものはAIに奪われないと言える一方で、先生の「時間」はすでに奪われてしまっていると感じています。

何が先生の時間を奪うかというと、幼児教育・保育には直接関係のない事務作業や記録業務などによってです。AIを使う最大のメリットは、先生が子どもと向き合う「本質的な時間を生み出す」ことだと考えています。

画像

そのために幼児教育・保育の現場でAIをどうやって使っていくか?を真剣に考える必要があると思います。

◆幼児教育・保育の現場でAIをどう使うか

前田:保育という人的環境が大きく作用する現場で、どうAIを活用していくべきか。そのためにはまず、テクノロジーは幼児教育や保育を代替するものではなく、先生が本質に集中するための環境を支えるものとして捉え直す必要があります。

◎まずはICTとAIの違いを押さえよう

前田:一口にデジタルと言っても、いわゆる「ICT」と「AI」にはそれぞれ役割や得意分野に明確な違いがあります。

画像

ICT(情報通信技術)とは、情報を整理して記録し、共有したり、検索したりするための仕組みです。

例えば、出欠管理システムや連絡帳アプリなどがICTにあたります。一方で、AI(人工知能)は、「蓄積された情報を元に考えたり、予測したり、文章を作ることができるコンピュータ」です。

両者の違いは以下の通り。

画像

幼児教育・保育の現場では、ICTに任せること、AIに任せること、ぞれぞれうまく使い分けることが重要です。

◎AIとICTを使い分けることが効率化につながる

前田:上記のような違いを踏まえて、AIではなくICT(システム)に任せるべき仕事もあります。

・職員の出勤/有給管理
・メール確認
・バスの運行管理
・欠席連絡の受け取り

ICTは、このような「定型的な業務」「答えが決まった業務」が得意です。もし「AIに有給管理をさせて」と言ったら、AIは「どうしたらいいと思いますか?」と創造的なアドバイスをしがちです。

しかし、有給管理には創造性は不要で、むしろ正確さと確実性が必要です。

画像

前田:答えが決まっている業務はICTへ、決まった答えがない業務(書類作成、活動のアイデア、コミュニケーションの取り方など)はAIへ頼る。こうした使い分けが、現場で活用するうえでの重要なポイントになります。

◆実践!AI活用ワークショップ|劇の台本を作ろう

難しく考えるのはここまでです。
泳ぎ方は、水に入らないとわかりません。まずは1回、AIに触れてみましょう!
実はAIを使えば、こんな風にオリジナルな劇の台本が作成できるんです!

画像 画像 画像

ステップ1:AIツール(NotebookLM)を準備

Googleアカウントで「NotebookLM」にログインし、新しいノートブックを作成します。

ステップ2:題材となる資料の読み込み

青空文庫などで著作権フリーの物語(桃太郎など)を探し、そのURLをNotebookLMに入力して読み込ませます。

ステップ3:条件の指示(プロンプト入力)

クラスの人数や要望を具体的にAIに入力します。

入力例
「この桃太郎の台本を、クラス20人全員に見せ場があるようにセリフと役を再分配して。特に〇〇の役を増やして」

ステップ4:先生の目線で最終調整

AIはゼロからイチにする「たたき台」を作ってくれます。出力された配役やセリフをもとに、先生の「見立て」を加えて最終的な調整を行います。

◆AIを幼児教育・保育現場で活用するうえで心がけたいこと

前田:使い方次第でさまざまなアイデアを出したり、上手に要約したりしてくれるAI。現場で活用するときに心がけたいポイントを最後にお伝えします。

◎先生が最終判断すべき仕事がある

前田:AIはデータとして蓄積された「記録」や「文章」しか見ていません。だからこそ、「子ども理解」に関わる領域は、AIにたたきを作ってもらったとしても最終的に先生が判断する必要があります。

・子どもの見立て(その子をどう理解するか)
・課題の克服方法
・子どもの個性や魅力の発見

生の情報───つまり、子どもの微妙な表情や心の動き、その日の雰囲気、クラスの空気感を知っているのは先生だけだからです。

「AIがそう言っていたから」と鵜呑みにしてしまったら、その子を間違えて理解したり、保護者に誤った情報を伝えたりする可能性があります。

子どもたちを導く立場にある先生として、最後の判断と責任は人間が持たなければならないのです。

◎完璧を目指さない

前田:AIはたしかに便利ですが、すべてをAIで解決しようとする必要はありません。

「ここだけ手伝ってもらえば、5分早く帰れるかも」そんな気軽さで始めてみませんか?

AIを使えば、仕事が魔法のように消えてなくなる!…そんなAIは残念ながら存在しません。AIを導入する目的は、「完璧な幼児教育・保育」を実現することではなく【先生の時間を生み出すこと】なのです。

AIを使って、事務仕事で帰りが遅くなりすぎないように、取り戻した「余白」の時間で、明日も子どもたちとの時間を思い切り楽しみましょう!

◆AI活用に関するQ&A

セミナー当日、多くの先生方からご質問をいただきました。ここでは、質疑応答から一部を抜粋してお届けします。

Q.パソコンが苦手でも大丈夫?

「パソコンやデジタル機器が苦手なので、AIを使いこなせるか心配です。」

A.「LINE」と同じ話し感覚の話し言葉でOK!

AIを使うのに、プログラミングの知識などは不要です。

後輩にLINEでお願いするような感覚で対話ができます。話し言葉で十分伝わるので、完璧な指示や専門用語は必要ありません!

Q.個人情報保護・セキュリティが不安

「個人情報の流出が心配です。何か対策できることはありますか?」

A.無料版には個人情報を入力しない!

無料版のChatGPTやGeminiには個人情報を入力しないことが鉄則です。

園のタブレットを複数人で使う場合は、最後に必ずログアウトするようにしましょう。ログインしたままだと、チャットの履歴が第三者に見られる可能性があります。職場の悩み相談など、他の先生に見られたくない内容は個人のアカウントで行うようにしましょう。

Q.AIは「足りない情報」を指摘してくれるのか?

「例えば、指導案や活動プログラムを作るうえで、まずAIに相談したとします。それを受けて、AIは『あなたの入力した内容にはこの視点が足りない』と教えてくれますか?」

A.足りない情報を教えてくれるわけではない

AIは基本的にユーザーが入力したり、お願いしたりした情報に沿って、回答を生成します。自分に足りない情報や視点を考えて教えてくれるわけではありません。

だからこそ、これからは園としての理念や教育目標、先生自身がそれをどう理解しているかが大切になります。AIが発展するほど、「うちの園はどういう視点で子どもを見るのか」が問われていくと考えられます。

◆登壇を終えて

画像

今回、生まれて初めて登壇をさせていただきました。正直かなり緊張していたのですが、先生方が本当に前向きに参加してくださり、とても貴重な体験をさせていただきました。

特に印象的だったのは、先生方の「子どものために」という思いです。事前質問にも、本当にたくさん回答をいただきました。

夜遅くや早朝の回答も多く、日々忙しい中でも真剣に向き合ってくださっていることが伝わってきました。ワークショップでも、「これ面白い!」「こう使えるかも!」という声が多く、AIへの関心の高さも感じました。

そして今回あらためて確信したのは、先生たちの思いそのものは、絶対にAIには代替できないということです。

・子どもを見守ること。
・成長を一緒に喜ぶこと。
・寄り添うこと。

そういう尊い部分は人にしかできません。

だからこそ、先生方にAIやICTという道具をうまく届けられれば、その思いはもっと子どもたちのために活かせるんじゃないかと思っています。

幼稚園・保育の未来を、もっと現場に寄り添いながら一緒に考えていきたい。そんなことを強く感じた、最高の会でした。

また機会があれば、ぜひ登壇したいです。
(VISH株式会社 エンジニア 前田 悟志)

◆園支援システム+バスキャッチに「AI要録」が搭載

園支援システム+バスキャッチ」では、日々の記録をAIが解析し、指導要録の原案を自動作成する「AI要録」を搭載しています。

AIがわかりやすくまとめた文案に、子どもたちの一番近くにいる先生だからこそ気づける「成長の気づき」を少し書き加える。それだけで、一人ひとりに寄り添った温かい要録が完成します。

事務作業をAIに任せ、もっと子どもと向き合う時間を作りませんか?

資料画像

Chimelee(チャイムリー)
まるわかり!

  • 機能紹介
  • 叶えられること
  • 活用シーン
  • サポート体制
一覧へ
ホワイトペーパー
contact

お気軽に
ご相談ください

園支援システムの機能詳細・操作感、お役立ち情報がわかりやすくまとまった資料をダウンロードできます。導入に関するご相談や質問等もお気軽にご相談ください。
補助金を活用した導入についてもこちらから。