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保育ICT推進加算要件とは?補助金との違いや注意点を網羅

保育ICT推進加算要件とは?補助金との違いや注意点を網羅

こども家庭庁「令和8年度 公定価格・基準等の見直し事項 」「公定価格FAQ 第30版(令和8年4月8日時点)」にもとづき、確定情報を追記・修正しました。(最終更新:2026年6月5日)

保育現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を後押しする新しい動きが出てきました。令和8年度(2026年度)より、新たに「保育ICT推進加算」が創設されました。

これまでの「システム導入に対する補助金」とは異なり、継続的な運用を評価する「加算」である点が大きな特徴です。本記事では、こども家庭庁の最新資料に基づき、算定に必要な4つの機能要件や注意点、園が準備すべきことについて解説します。

1. 保育ICT推進加算とは?創設の背景

幼稚園や保育所における業務負担の軽減、そして保育の質の向上を目的として、テクノロジーの活用を推進するために設けられた新しい加算項目です。

これまではICTシステムの「導入費用」を補助する仕組みがメインでしたが、今回の加算は「ICTを適切に活用し、業務改善を行っている体制」そのものを評価する仕組みへとシフトしています。

対象となる施設
・幼稚園、保育所、認定こども園
・地域型保育事業(家庭的保育、小規模保育、事業所内保育、居宅訪問型保育)

2. 算定に必須!「ICT責任者」の配置と「システム要件」

この加算を取得するためには、単にツールを導入するだけでなく、「組織としての活用体制」「具体的な機能運用」の両方が求められます。以下の4つのポイントを確認しましょう。

① 「ICT活用の責任者」を設置する

まずは、園内に「ICT活用の責任者」を置くことが必須条件です。「責任者」と聞くと高度なITスキルが必要に思えるかもしれませんが、ICTに関する何らかの資格の保有や研修等の受講を求めるものではなく、主な役割は「園内でのICT活用の定着をサポートすること」です。

・中心的な役割:ICTの導入/活用に向けて施設内で中心となって取り組む。
・サポート体制:他の職員からの相談に対し、適切にアドバイスや対応を行う。

園全体でICTを有効活用できる体制を整えることが、この加算における評価のポイントとなります。責任者一人だけではなく複数人でチームを組んで取り組むことを前提にしているため、ITの専門知識よりも、現場の業務を理解し、周囲とコミュニケーションを取りながら進めていける方が適任といえるでしょう。

Q A
ICT活用の責任者は辞令等により任命する必要がありますか?また、役職や勤続年数等の条件はありますか? 辞令等により責任者としての任命を受ける必要はありません。
ICT活用の責任者は、役職や勤続年数等の条件はありますか? 役職や勤続年数等の条件はなく、最低基準上の保育士定数に含まれる保育士でも差し支えありません。
ICT活用に関する業務の一部のみ担っている職員を責任者として任命してもいいですか? 複数人で分担してICTの活用を推進する場合も、要件を満たしているものと考えて差し支えありません。※本加算の認定の申請時に責任者1名の氏名及びその業務内容の記載を求めることを予定しています。

② 業務を効率化する「4つの必須機能」の活用

システムには、保育現場の主要な事務をカバーする以下の4つの機能が備わっている必要があります。

1.登降園管理:園児の登園/降園時間をデジタルで正確に記録。
2.保護者連絡:お便りや欠席連絡など、双方向のコミュニケーション。
3.計画/記録:指導案、保育日誌などの作成/蓄積。
4.キャッシュレス決済:延長保育料や実費徴収などの非対面決済。

Q A
1つのシステムに4つの機能すべ てを含んでいる必要はありますか? 4つの機能のシステムを活用していれば、それぞれ異なる機種やメーカーであっても差し支えありません。
「保護者との連絡に関する機能」とは、具体的にどのようなものですか? 保護者と双方向のやり取りを行うことが可能なものを対象と想定しており、園のHPやメール、SNSを介して、職員が保護者に連絡を行うことは対象外です。
「保育に係る計画・記録に関する 機能」とは、具体的にどのようなものですか? 同時に複数端末からのアクセスが可能であり、情報の共有・更新を行う端末が限定されていないものを想定しています。
「キャッシュレス決済に関する機能」とは、具体的にどのようなものですか? ICTを活用した口座振替(口座振替代行または全銀データの作成)、クレジットカード決済、QRコード決済のいずれかを活用することとなり、保護者が銀行アプリ等で直接振り込むなどの方法では要件を満たしません。
キャッシュレス決済は、限定的な利用 でも条件を満たしていることになりますか? 例)延長保育事業のみに活用など 市町村が認める場合は、要件を満たしているものとして差し支えありません。
4つの機能を持つICTを活用して業務を実施していることはどのように確認しますか? 導入している4つの機能それぞれについて、現に活用していることを確認するため、①システム又は製品の名称、運用保守契約の相手先事業者名、②運用保守契約額・ソフトウェアラ イセンス料・購入額など当該年度に発生した費用等を確認することを想定しています。
補助金の交付を受けてシステムを導入した場合、当該年度は本加算の対象外となりますか? 4つの機能を有するシステム等のいずれか又は全てについて、国や自治体独自の補助金を利用して導入した場合は、当該年度は本加算の対象外となります。
年度途中に導入した場合 も加算の対象になりますか? 年度途中に導入した場合も、加算の認定の時点で活用している事実が確認できれば、対象となります。
システムの不備等により、システムを利用しない期間がある場合も加算の対象になりますか? 施設側に原因がない場合で、当該年度中に利用している期間がある場合は 本加算の対象となります。
居宅訪問型保育事業で、登園・降園管理そのものが発生しないような場合も、本加算を申請するためには、4機能をすべて導入する必要がありますか? アプリなどで訪問の事実が記録される仕組みが設けられているなど、登園・降園管理機能と同等の効果が得られるような工夫がICTの活用により講じられていれば、加算の対象となります。

③ プラットフォーム・基盤の活用(国とのデータ連携)

給付事務の効率化や入園調整の円滑化のため、国が整備する以下の基盤との連携も要件に含まれています。

・保育業務施設管理プラットフォーム:給付費の請求や監査に関連する事務を効率化するためのプラットフォームです。
・保活情報連携基盤:入所/入園調整における自治体との情報連携をスムーズにするための基盤です。

【令和8年度の特例】

令和8年度時点では、アカウントの発行を受けており、「令和9年度以降に活用する予定」であれば算定可能とされています。今のうちに準備を進めておきましょう。

Q A
自治体が独自に給付又は監査のシステムを利用している場合、要件を満たさないことになりますか? 保育業務施設管理プラットフォームでは、令和8年度に独自システムとのCSV連携機能を追加することを予定しており、独自システムにも連携機能を設け、本システムと連携することで、独自システムを利用しながら本システムも活用いただける状態になるものと考えられます。
自治体が保育業務施設管理プラットフォーム又は保活情報連携基盤を利用していない場合は、加算の認定が受けられませんか? 受けられません。 ただし、自治体が独自システムとCSVによるデータ連携を行うことで保育業務施設管理プラットフォームを活用している場合は、加算の認定を受けることができます。
保育業務施設管理プラットフォーム」や「保活情報連携基盤」を活用すると確約して加算の認定を受けた後、両システムの活用実績がないことが判明した場合、どうなりますか? 施設側に原因がない場合を除き、当該年度の加算額の返還対象となります。(施設側に原因がないかどうかの判断は、市町村が行います。)

④ 「ここdeサーチ」の情報更新

意外と見落としがちなのが、施設情報公表システム「ここdeサーチ」の運用状況です。

・情報の最新化:運営状況に関する情報を常に最新に保っていることが条件です。
・未更新は対象外:毎年5月の更新依頼に対し、適切に対応(遅くとも9月末まで)していない場合、その年度の加算は認められません。

市町村からの指摘があった際にも速やかに修正対応を行うなど、公的な情報公開に対する誠実な運用が求められています。

Q A
ここdeサーチ上のどの情報を更新すればよいですか? 「ここdeサーチ」における「施設の詳細情報を入力する」タブの必須項目を全て入力し、市町村へ申請してください。
施設情報に変更がない場合も、ここdeサーチ上での更新が必要ですか? ここdeサーチ上で変更なしの処理作業を行うことが必要です。
年度中にここdeサーチの情報の更新をしている場合であっても、9月末時点で最新の情報に更新されていない場合は、要件を満たしたことになりませんか? ここdeサーチ上で年度が切り替わる5月から9月末までの間に1度でも情報の更新(変更なしの場合の処理作業含む)がなされていれば、その後、9月末までの間に運営状況に変更が生じた場合等に情報の更新がなされていなくても、要件を満たしたこととなります。
ここdeサーチの情報の最新化等について、市町村から施設へ指摘があった際、適切に対応がされていない場合とは、具体的にどのような状態でしょうか。また、対応に期限はありますか? 「適切な対応がなされていない場合」「対応に期限」については、報告内容や施設等の状況等を勘案して市町村がご判断ください。
無料サービスの活用でも要件を満たしたといえますか? 有料のサービス等と同等の性能があると市町村が認める場合は、要件を満たすものとして差し支えありません。
3月時点で要件を満たすことを確認することとなっており、加算の認定申請の時期が明示されていないものの認定の手続きは、3月以前の適宜の時期 に、他の加算の認定申請と併せて申請を受け付けることを基本としつつ、必要に応じて個別の施設・事業所の加算の認定申請を受け付けるような運用として差し支えなありませんか? 差し支えありません。

3. 気になる単価と算定方法

資料によると、加算単価は施設の規模や種別によって分けられています。

施設種別 加算単価(年額目安)
幼稚園・保育所・認定こども園 30万円 ÷ 3月初日の利用子ども数
地域型保育事業 18万円 ÷ 3月初日の利用子ども数

※これらの単価が、3月初日の利用子ども1人あたりの単価に加算される仕組みです。

4. 補助金との違いと、知っておくべき「注意点」

「これまでのICT補助金と何が違うの?」と疑問に思う方も多いでしょう。特に注意すべきは以下の点です。

「導入補助」を受けた年度は算定不可

「保育所等におけるICT化推進等事業」などの補助金を受けてシステムを導入した年度は、この「保育ICT推進加算」を重複して算定することはできません。「補助金で導入し、次年度から加算で運用を維持する」という流れが一般的になると予想されます。

5. 現場の負担を減らし、加算を取得するための第一歩

4つの機能(登降園・連絡・計画・キャッシュレス)をすべて自力で、あるいはバラバラのツールで管理するのは、逆に現場の混乱を招く恐れがあります。

こうした要件を網羅し、かつ保育士の先生方が直感的に使えるシステムを選ぶことが、加算取得への近道です。

例えば、弊社が運営する「園支援システム+バスキャッチ」では、今回の加算要件に含まれる登降園管理や保護者連絡はもちろん、欠席連絡の受付や指導要録の作成支援まで幅広くカバーしています。

・保護者向けアプリ:欠席連絡や園バスの現在地確認がスマホ一台で完結。
・事務作業の削減:登降園データが自動で集計されるため、月末の事務作業が大幅に短縮。
・キャッシュレス対応:延長保育料などの請求管理もスムーズに行えます。

その他の機能はこちらから

まとめ:ICT加算の準備は、先生方の『子どもと向き合う時間』を生み出す第一歩

「保育ICT推進加算」の創設は、保育現場のデジタル化が「努力目標」から「標準的な運営」へと変わる大きな節目と言えます。

1.4つの機能(登降園・連絡・計画・決済)が揃っているか確認する
2.ICT責任者を誰にするか決める
3.「ここdeサーチ」の情報が最新かチェックする

まずはこの3点から着手し、スムーズな加算取得と、何より先生方が「子どもと向き合う時間」を増やせる環境づくりを目指しましょう。「自園のシステムが要件を満たしているか不安」「どのシステムを選べばいいか分からない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

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